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【質問】 自覚乏しいが指摘された

 40代の男性です。最近耳が聞こえにくくなっています。自分ではあまり意識していないのですが、テレビの音量が大きすぎるとか、呼んでも振り返らないと、家族からよく注意されます。ボイスレコーダーや音響機器を使う機会が多いのですが、影響しているのでしょうか。今後、よくなることはあるのでしょうか。日常生活での注意点があれば教えてください。



【回答】 難聴 -内服治療や耳栓使用も-

布村医院医師 布村進作(徳島市助任本町)

 音を聞き分ける能力が低下した状態を難聴と呼びます。通常は、まず問診での会話を通じて、患者のしぐさや反応で精神的状態や聴力を推定します。次いで、検鏡で耳の肉眼上の形態的変化などを観察し、一般的には純音聴力検査で正確な聴力を測定します。診察や検査で難聴の有無や程度が分かりますし、障害部位や、何が原因で悪くなったのかも知ることができます。

 障害部位や原因が分かれば治療につながりますし、聴力を悪くするような不必要な刺激や因子にも備えることができます。また、心の問題が難聴として現れる病気や、注意力、集中力の低下のために難聴を疑われる場合も少なくないと感じています。

 聴器には「音を伝える器官」と「音を感じる器官」があります。前者は、耳介(耳たぶ全体)から外耳道を含む外耳と、鼓膜や耳小骨を含む中耳からなり、さらに後者は、音の振動を受容する内耳と、奥の聴神経を含む中枢聴覚路からなっています。前者の障害に起因する難聴を伝音性難聴、後者の障害に起因する難聴を感音性難聴、両者を併発しているものを混合性難聴と呼んでいます。

 ご質問の方は、新生児・幼児期には問題がなく、家族から「難聴ではないか」と心配されていらっしゃいますが、ご本人の自覚症状は乏しいようです。

 耳痛のない、自覚症状の乏しい伝音性難聴を来す疾患として、滲出(しんしゅつ)性中耳炎が挙げられます。中高年者でもみられ、聴力低下が高度でない場合は、長期にわたり放置されている患者もいます。原因は、副鼻腔(ふくびくう)や鼻咽腔(びいんくう)の炎症性病変によることが多く、治療により完治しますが、まれに致命的疾患に起因する場合もありますので注意が必要です。

 また、自覚症状の乏しい感音性難聴の代表は、低音障害型感音難で、耳鼻咽喉科でもしばしば患者がいます。発症早期であれば内服でも治療効果が期待される疾患です。

 音響機器を使う機会が多いために、その影響を心配されているようです。携帯型音楽プレーヤーは若者のみならず、中高年者の間でも流行しています。年配の方が、ジョギングをしながら聞き続けたり、イヤホンを付けたまま寝入ってしまったりする習慣も広がっています。

 音楽プレーヤーの最大音量の60%程度で毎日1時間程度の使用なら、音響外傷の心配は少ないとの報告もありますが、安全というわけではありません。強い騒音の暴露は騒音性難聴を引き起こすため、職場であれスポーツ競技であれ、耳栓を使用するよう心掛けましょう。また、聴覚の保護のため大音量の機械類やスピーカーに近づかないように注意しましょう。

 ただ、質問の内容だけでは、難聴があるか否かを判定することは困難です。心配事や問題の解決には、一度耳鼻咽喉科を受診して現状を把握しておくことをお勧めします。

徳島新聞2010年10月10日号より転載

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