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【質問】 7歳の息子、治療必要か

 7歳の息子が、毎晩のようにおねしょをします。就寝前にトイレに行かせるのですが、風呂上がりに大量の水分をとるためでしょうか。医療機関を受診し、治療を受けた方がいいのか悩んでいます。日常生活で気を付けることなども併せて教えてください。



【回答】 子どものおねしょ -家庭で生活習慣改善を-

阿南共栄病院小児科 上田 隆

 小学校1年生で、週に1~2回程度のおねしょなら、もう少しで自然に治ってしまう可能性が高いと思います。ただ、週の半分以上に夜尿があるような場合は、自然に治るのに数年かかることもあります。このような場合は、家庭での生活習慣の改善を行ってください。それでも治らない場合は、医療機関に相談するといいでしょう。

 家庭でできる5つのポイントは次の通りです。

 まず、夜中に無理やり起こさないことです。そのためにおむつをしたからといって、おねしょが長引くことはありません。おねしょの原因とおむつは関係がないのです。

 また、水分の取り方に注意が必要です。朝や昼に多くとり、夕方からは制限してください。夕食は早めに終わらせ、塩分もとり過ぎないようにしましょう。これだけで、かなり改善されます。

 3つめは、夜更かしや不規則な生活はおねしょを悪化させます。早寝早起き、決まった時間の食事を心掛けましょう。

 おねしょをする子どもには、手足が冷たい冷え性が多く見られます。寝る前にゆっくり入浴をして体を温めましょう。寒さが厳しい冬には、湯たんぽも効果があります。

 最後に、膀胱(ぼうこう)を大きくするには、おしっこの我慢をする訓練が必要です。尿意を感じてもすぐにトイレに行かせずに、話をするなどしてぎりぎりまで我慢させましょう。ただし、無理をし過ぎないように。

 医療機関に相談する場合は、受診前に電話で相談にのってくれるか確認するのがよいと思います。おねしょのタイプによって治療が異なります。夜だけおむつをして、元の重さを引いた朝のおむつの重さと、朝一番の尿量を測り、合計した「夜間尿量」と、学校から帰ってきたら、家で排尿を少し我慢させて、どのくらい尿をためられるかを測る「我慢尿量」を測定すれば、受診しなくても簡単にタイプが分かります。

 夜間尿量が多い場合は「多尿型タイプ」と思われます。寝る前に坑利尿ホルモン点鼻スプレーを使えば効果があります。

 我慢尿量が少ない場合は「膀胱型タイプ」になります。尿失禁治療の飲み薬があります。また、排尿を始めるとパンツに付けたセンサーが反応してアラームが鳴る「アラーム治療」も試されるようになってきています。

 おねしょの治療法が増えたので、治るスピードも以前より随分速くなっています。おねしょで悩んでいるようなら、医療機関に相談することを勧めます。

夜間尿量の目安
小学校1-3年生200cc以下
4年生以降250cc以下
我慢尿量の目安
小学校1年生150cc以上
2年生200cc以上
3年生以降250cc以上


徳島新聞2009年8月30日号より転載

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