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【質問】 就寝中に呼吸が止まる

 41歳の男性です。「いびきがうるさい」とよく言われます。家族に言わせると、毎晩そばでは眠れないほどのうるささだそうです。時々、自分のいびきで目が覚めることもあります。また、家族によると、眠っている間に呼吸をしていないような時があるようです。歯ぎしりも時々しているようです。身長170cm、体重70kgで、自分では中肉中背と思っています。寝つきはよく、自分ではよく眠れていると感じていますが、一度、病院にかかった方がよいのでしょうか。



【答え】 睡眠時呼吸障害 -10秒以上なら要注意-

わかば耳鼻咽喉科クリニック 棚本 洋文(鳴門市撫養町北浜)

 “いびき”とは、睡眠中に起きる異常な呼吸音と定義され、その騒音の問題にとどまらず、長年続くと体に悪影響を及ぼすといわれています。もちろん、その程度は人によってさまざまで、原因もいろいろあり、大部分が放置されているのが現状のようです。しかし、なかにはいびきだけではなく“息が止まる”などの状態を伴う場合には治療が必要になることがあります。

 一般に、子どもでは咽頭扁桃(いんとうへんとう)(いわゆるアデノイド)が肥大して鼻の奥が狭くなるために起こる狭窄(きょうさく)型のいびき、または扁桃(口蓋(こうがい)扁桃)が肥大しているために起きる狭窄型のいびき、あるいは両者が合併しているいびきが多くみられます。

 一方、大人では軟口蓋(いわゆるのどちんこの部分)が息を吸っているときに振動することによるいびきがほとんどです。口蓋扁桃が大きい人はこれによる狭窄型のいびき、下あごの小さい人は舌根部(舌の奥の部分)が沈下するためのいびきを認めることがあります。また、いびきや睡眠時呼吸障害が増悪する因子として、肥満や鼻づまりなどがあります。

 単純ないびきの場合はまず、太っている人はやせる工夫を、鼻づまりのひどい人は点鼻薬などによる鼻閉の改善を、あお向けよりは横向きに寝る工夫などをしてみるという方法があります。しかし、このような方法ではあまり改善しない場合は耳鼻咽喉(いんこう)科の専門医の診察をお勧めします。

 さて、眠っている間に呼吸をしていない時があるそうですが、ご家族の方に睡眠時の呼吸の止まっている時間(何秒間か)を聞いてみてください。睡眠中のいびきの音を連続して録音し、専門医に聞いてもらう方法もあります。

 睡眠時無呼吸症候群という言葉を、新聞上でもたびたび目にするようになりましたが、これは10秒以上続く換気の停止(無呼吸)が7時間の睡眠中に30回以上繰り返される病態、あるいは睡眠1時間当たりに起きる無呼吸の回数(無呼吸指数)が5回以上の場合と定義されています。単純ないびきはともかく、睡眠時無呼吸症候群ではやはり、専門医による治療が必要となります。

 無呼吸を起こすものは、大きく中枢型と閉塞(へいそく)型とに分けられます。中枢型無呼吸は脳や脳幹の障害、循環器疾患などの人にみられ、呼吸中枢などの異常によるもので比較的に珍しいタイプです。閉塞型睡眠時無呼吸は、のどが物理的にふさがることによるもので、口峡(こうきょう)(咽頭の入り口)閉塞型、舌根沈下型、喉頭閉塞型、あるいは合併型の無呼吸に分類されます。

 ほとんどの無呼吸は口峡が閉塞するタイプか舌根が沈下するタイプで、これらの多くは軟口蓋振動型などのいびきを伴います。この質問の方の場合、無呼吸があるようですので、やはり耳鼻咽喉科の専門医の診察を受けて、本当に無呼吸があるのか、あるのならその原因は何なのか、またその程度(重症度)などをきっちり調べてもらう必要があります。

 検査としては、まず、鼻の中の状態、のどの状態を見て上気道の狭窄の原因となる病変がないかを調べます。そして、家庭で実際に十秒程度呼吸が止まっているようないびきであるならば、入院してもらい眠っている間の脳波、口や鼻の呼吸、血液の酸素の濃度(酸素飽和度)、胸と腹の動き、眼球の動きなどを一晩中調べることとなります。

 手術的な治療としてのど(咽頭)を広げ、いびきの音源である部分(多くはのどちんこ)を切除する方法などがあります。また、眠っている間に呼吸の補助をしてくれる機械を装着することもあります。

 まず、最寄りの耳鼻咽喉科でご相談していただき、そこで症状により、専門の病院を紹介してもらい、睡眠時呼吸障害の原因、重症度を調べ、最適な治療法を選択していただくのが良いと考えられます。

徳島新聞2006年6月4日号より転載

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