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【質問】 鼻が詰まって寝苦しい

 53歳の女性です。15年前くらいから1年中、右の鼻が詰まり、息苦しくて困っています。部屋の温度が上がるとなおさら詰まります。ひどいときは、まったく空気が通いません。最近は毎日です。布団に入って寝ようとすると完全に詰まります。病院でレントゲンを撮ったら、右がぼうっと写り鮮明ではないが、蓄のう症とか悪い病気ではないと、スプレーをくれました。手術したら治るのでしょうか。どんな手術が必要で、どれくらいの日数がかかるか教えてください。



【答え】 鼻の粘膜の腫れと鼻中隔彎曲症 -粘膜下の骨を手術で切除-

立花耳鼻咽喉科医院 立花 文寿(徳島市住吉6丁目)

 質問にお答えする前に、鼻の構造について簡単に説明します〈図参照〉。

 鼻は中央の隔壁(鼻中隔(びちゅうかく))によって左右の鼻の穴(鼻腔(びくう))に分かれます。またそれぞれの鼻腔の上方からは中鼻甲介(ちゅうびこうかい)が、外側からは下鼻甲介(かびこうかい)が鼻腔内に張り出しています。鼻中隔、鼻甲介を含めて、鼻腔の表面はすべて粘膜で覆われています。鼻中隔の左右の粘膜の間には骨や軟骨があり、各鼻甲介の内側には、骨組織があって、それぞれの形態を保っています。

 質問によると、右の鼻が詰まり、レントゲンでも右の鼻の穴が通っていないとのことですので、鼻の粘膜が腫れて、鼻中隔が右に曲がっている状態が考えられます。鼻腔内では中鼻甲介より下鼻甲介の占める割合が大きいため、下鼻甲介の腫れが鼻詰まりと大きくかかわってきます。鼻の粘膜が腫れる疾患としては、慢性鼻炎や肥厚性鼻炎、アレルギー性鼻炎などの疾患が考えられます。また鼻中隔の曲がりは、鼻中隔彎曲症(わんきょくしょう)が考えられます。

 部屋の温度が上がると詰まるのは、温度が上がることで鼻の血管が拡張し鬱血(うっけつ)するためです。寝ようとすると詰まるのは、横になると心臓への血液の還流が悪くなり、鼻の血管で鬱血するために鼻粘膜が腫れることが原因と考えられます。また鼻には、2~3時間ごとに左右の粘膜が腫れと収縮を交互に繰り返す「鼻サイクル」という周期が存在します。これらに起因する鼻詰まりは、程度の差こそあれ誰にでも生じています。あなたは普段から鼻が詰まっているため、これらの現象による鼻詰まりを、より強く感じるようになっているのかもしれません。

 鼻粘膜の腫れに対する初期治療としては、慢性鼻炎や肥厚性鼻炎では、点鼻薬を噴霧することで軽快することがあります。アレルギー性鼻炎では、内服薬の服用や、点鼻薬を噴霧することで鼻詰まりが軽くなることがあります。しかし、軽快しない場合には、手術が必要になります。

 手術療法としては、高周波電気凝固術やレーザー手術、下鼻甲介切除術、粘膜下下鼻甲介切除術があります。高周波電気凝固術、レーザー手術では、下鼻甲介の粘膜面を蒸散させたり、粘膜下の組織を凝固・瘢痕化(はんこんか)させたりすることによって、下鼻甲介の腫れを軽減させます。下鼻甲介切除術では、下鼻甲介の一部を切除することにより、鼻腔を広げます。粘膜下下鼻甲介切除術は、粘膜機能を保存しつつ鼻腔を広げることを目的に、下鼻甲介の中に存在する骨のみを切除します。

 高周波電気凝固術やレーザー手術は、外来で実施可能ですが、下鼻甲介切除術や粘膜下下鼻甲介切除術は、通常は入院が必要です。

 鼻中隔彎曲症には、鼻中隔矯正術を行います。これは、粘膜の下に存在する骨や軟骨を切除する手術です。硬い組織である骨や軟骨がなくなると、軟らかい粘膜のみとなるので、鼻中隔の曲がりが解消されることになります。例えばサンドイッチのパンの部分を粘膜、具の部分を骨・軟骨とすると、具のみを除去して、パンのみになった状態が、手術後の状態です。

 鼻中隔矯正術を受けるには、1週間程度の入院が必要です。また下鼻甲介切除術や粘膜下下鼻甲介切除術は、鼻中隔矯正術と併せて実施されることがよくありますが、併せて実施しても1週間程度の入院で済みます。

徳島新聞2004年9月19日号より転載

 

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