徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

【質問】 車酔いをするので困っています

 52歳の女性です。車酔いをよくするので困っています。高校3年の息子、中学3年の娘も同じように車に乗ると酔います。汽車や電車は酔いにくいです。どうすれば酔わないようになるでしょうか、教えてください。



【答え】 加速度病 -内耳以外の影響にも配慮-

伊月病院 神経内科 西田 善彦(徳島市徳島町2丁目)

 車酔いは加速度病、あるいは動揺病ともいわれます。加速度病を引き起こす第一の原因は、普段の日常生活には見られない揺れです。縦揺れ、横揺れ、水平面での左右への揺れ、上下動などさまざまな揺れが不規則かつ反復して繰り返されることにより、耳の奥にある内耳の中の迷路という部分が過剰に刺激されます。

 迷路は、身体のバランス(医学用語では平衡)をつかさどる器官であり、平衡感覚の情報にずれが生じます。すなわち、人は景色などの目でみる視覚情報と、それに伴う身体の位置情報を脳の中で重ね合わせて調節し、自分の身体の位置関係や傾き具合などを知り、無意識のうちに姿勢を崩さないようにしているのです。

 車や船などに乗ると普段経験したことのない揺れや、近くを急速に流れ去る景色などの情報がもたらされ、迷路の中の三半規管という部分で感じている身体の平衡感覚と実際の身体状況の間にずれを起こしてしまい、脳の中で調節しきれなくなってしまいます。

 その結果、自律神経障害が生じ、嘔吐(おうと)などの「酔う」という症状が引き起こされてしまいます。一般に乗り物酔いは2歳ぐらいから始まり、年齢が上がるに従って増え、5~12歳ぐらいがピークです。その後は乗り物に慣れてくることもあり、だんだんと少なくなるといわれています。

 酔いやすい人はこの三半規管が未熟であったり、正常に機能しなくなっていたりするといわれています。

 その他の原因としては、内耳の機能以外にも次の3つのことが言われています。まず、環境的影響で、これは発進と停止を繰り返したり、道が悪くて車が揺れたりすると酔いやすくなります。また、ガソリンなどのにおいがすると気分が悪くなることがあります。

 次に心理的影響で以前に酔った経験を思いだしたり、酔った人を見て自分も具合が悪くなることがあります。さらには身体的影響で、過労や睡眠不足、風邪をひいていたり、おなかをこわしていたりすると酔いやすくなります。すなわち、乗り物酔いには体調や心理面なども大きく影響を与えるというわけです。

 質問の女性の場合、子供ともども自家用車で酔いやすく汽車や電車で酔いにくいとのことですが、これは先述しました環境的影響や心理的影響が強いように思われます。

 その対策として<1>酔う前に酔い止めの薬を飲む<2>車に乗るときは揺れの少ない助手席に座る<3>進行方向を向いて座りきょろきょろしない<4>近くを見ずに遠くの景色などを眺めるようにする<5>窓を開けて新鮮な空気を入れる<6>歌を歌うなど気を紛らわせる-などの工夫があります。

 また、山道などで道が曲がっていて酔いそうな場合には、例えば、左へ大きくカーブしたときには、遠心力で右へ持っていかれるのに逆らって左の方へ頭を向けるなどの方法もあります。

 平衡感覚は訓練によって向上しますから、乗り物酔いもある程度の経験によって克服できますので、以上のような方法を試してみてください。

徳島新聞2002年12月15日号より転載

  • 感染症について
  • 研修医募集のお知らせ
  • 広報出版物
  • 東日本大震災に関する情報
  • 徳島県医師会は混合診療解禁に反対です
  • 徳島県医師会公益通報窓口について
  • 健康事業所宣言をし、認定を受けました。
© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.