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【質問】 5歳の娘が毎晩お漏らし

 5歳になったばかりの娘が、毎日おねしょをします。寝付いて2時間ぐらいで1回目のおねしょがあり、一晩にあと1~2回はします。発熱があるときは、夜中でも自分で起きて「おしっこ」と言えます。昼間はお漏らしはありませんが、昼寝をしたら、たまに漏らすこともあります。もうすぐ幼稚園のお泊まり会があります。おむつを使ったらいいでしょうか、それともパンツに挟むタイプにすればいいでしょうか。とても困っています。病院で治療を受けた方がいいでしょうか。



【答え】 おねしょ -病的な可能性は少ない-

徳島県立中央病院 小児科医長 粟飯原 良造

 相談を読み、お母さんはかなりおねしょについて調べられているなという印象を持ちました。また、おねしょだけでなく、子育てに、あるいはご自分に鋭い目を注がれ、育児を丁寧にされていると感じます。相談文に沿ってお答えしたいと思います。

 一晩に2~3回のおねしょをしていること、眠って2時間くらいに1回目のおねしょがあることを見つけられていることにお母さんの熱意を感じます。

 一晩に2回と3回の差は大切だと思います。2回の日が増えていけば、おねしょは次第になくなる方向に進んでいることになります。また、2回と3回の日で、何かささいな差があるようなら解決の糸口が見つかります。

 発熱時に「おしっこ」と言えるのは、発熱によって眠りが浅くなっているからだと思います。そのときに、ぼうこうがいっぱいになった感じを「おしっこ」と言っているのでしょう。反対に安心して熟睡しているときは、どの子も難しいようですね。

 お泊まり会のご心配も、母親としてやきもきすることと思います。本人はおむつを使うことに抵抗はありませんか。もし、ないのなら実際に家で練習してみてから、幼稚園の保育士さんに相談してみるのもいいでしょう。

 みんなに分からないように対応してもらえるかどうか、保育士さんたちと話し合ってみてください。気づかれないようにするために、同じパジャマと敷布団を用意したり、深夜に別室で寝かせて、早朝に元の部屋に戻したりする工夫をしてくれると思います。

 最後に、病院で診療を受けた方がいいかどうかというご質問にお答えしておきます。

 昼間目覚めているときにお漏らしがないようなので、病的な原因がある可能性は少ないと感じます。

 受診することの利点は、同じような悩みを持っている親子がほかにもいることを知る、不安を受け取ってもらえる経験ができる、病気があるかどうか判断してもらえる、そして、おねしょがなくなる方向に向かっているかどうかの目安も分かることなどです。

 おねしょへの対応は、一人ひとり違います。お母さんと子供、お父さん、そして相談できる専門家と一緒におねしょに付き合っていただけたらと、私は感じています。

 睡眠中に分泌される尿量を少なくするホルモンと、ぼうこうの大きさが大人のレベルに近づくと、おねしょは減るようです。

徳島新聞2000年1月30日号より転載

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