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【質問】夫の体臭が気になる

 42歳の夫の体臭がきつくなってきました。かびのようなにおいです。一般的に加齢臭の例に挙げられる古本、ろうそく、チーズのにおいによく似ています。加齢臭だとすれば、食生活の改善などでにおいを防ぐことができるのでしょうか。また、肥満気味なのでほかの病気の可能性がないともいえません。対応策を教えてください。

 

戸田皮膚科医院 戸田則之院長

 【答え】生活習慣の見直しを

 加齢臭はよく耳にする言葉ですが、一体どのようなものでしょうか? 40歳を過ぎると特有のにおいがするともいわれます。体臭とはどのように違うのでしょうか?

 体臭とは、一般的に汗のにおいを意味することが多く、そのにおいには個人差があります。いろんな雑菌と混じり合って独特なにおいになることもあり、加齢臭も体臭の一つといえるでしょう。

 皮膚には皮脂を分泌する「皮脂腺」と、汗を分泌する「汗腺」があります。皮脂は皮膚に潤いを与え、保護する役割があり、汗には主に体温を調節する役割があります。また、皮膚にはさまざまな種類の雑菌(皮膚常在菌)が付着しています。

 分泌されたばかりの汗や皮膚はほぼ無臭ですが、時間がたって皮膚常在菌が作用することにより、これらに含まれる脂質やタンパク質、アミノ酸の成分が酸化、分解され、不快なにおいのするガス(揮発成分)を発するようになるのです。

 では、どのような部位において気を付ければよいのでしょうか。頭皮、耳から下顎、脇、足の裏などは、特に独特のにおいがある気になる部位です。主なにおいの成分が最近の研究で分かりつつありますので、各部位の特徴とともに示します。

 <1>頭皮 皮脂腺が発達し、角質細胞がはがれ落ちたフケが発生しやすく、毛髪が周囲のにおいを吸着・凝縮(アルデヒド類、脂肪酸など)<2>脇 アポクリン腺(個人特有のにおいの腺)が多く皮膚常在菌が多い(3-メチル-2-ヘキセン酸、ケトン類など)<3>足の裏 エクリン腺(汗の分泌腺)が特に多く角質が厚い。靴や靴下で密封(イソ吉草酸など)-。

 これらのにおいをできる限り減らすためには、日頃から「汗」に対するスキンケアが重要となってきます。例えば、汗ばむ季節はできるだけシャワーを多用し、必要に応じて石けんなども使って局所を清潔に保ちましょう。

 しかし、強く刺激すること(皮膚バリアーの破壊)は控えましょう。脇などのにおいの強い方には、場合によっては市販の制汗剤、ミョウバン水も有効かもしれません。

 病気が原因で特有の体臭を放つこともあります。油臭いにおいは脂漏性皮膚炎が原因であることが多く、糖尿病になると糖の分解が進まないため、尿の甘酸っぱいにおいがするといわれています。

 また、甲状腺機能亢進(こうしん)症やパーキンソン病になると全身の代謝が亢進し、皮脂腺が刺激されて独特の体臭が出るといわれています。それまでとは違う体臭を強く感じたら、かかりつけの医師に相談しましょう。

 ご質問の加齢臭は、40歳を過ぎると酸化に対する抑制力が低下して、脂肪酸と過酸化脂質(コレステロールや中性脂肪といった脂質が活性酸素によって酸化されたものの総称)の分泌量が増加し、それに伴って体臭成分の一つであるノネナールが急増することが一因といわれています。

 過酸化脂質が増えるのは活性酸素が大量発生したときです。その原因として多量の飲酒、喫煙、ストレスが挙げられます。活性酸素は加齢臭のみならず、生活習慣病も招きかねません。規則正しい生活、適度な運動、食生活の改善(和食をはじめ、抗酸化作用のある食材の摂取)など健康なカラダ作りのため、できる範囲で努力してください。

 かといって「におい」はもともとみんな持っているものですから意識過剰にはならないように。

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