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【質問】日常的に咳き込む

40代の男性です。長引く咳(せき)に悩んでいます。発熱や頭痛など風邪の症状はなく、寝る前や食事中を中心に日常的に咳(せ)き込んでいます。以前、肥満による逆流性食道炎と診断され、常に胸焼けの症状がありますが、咳と関係はあるのでしょうか。

 

鈴木内科 鈴木雅晴 先生

 【答え】逆流性食道炎 原因の可能性

胃酸を中心に胃の内容物が食道へ逆流することを「胃食道逆流症」と総称します。このうち、逆流によって食道の下部を中心にびらんや潰瘍などの粘膜障害を来し、胸焼けなどの症状を起こしたものが、「逆流性食道炎」です。逆流症には、食道の粘膜障害がみられないのに同様の症状が現れるケースもあります。

 食べ物を消化する胃酸自体は、悪いものではありません。アルコールを飲んだ後、または脂っこい食べ物やかんきつ類、刺激物を食べた時には括約筋(食道と胃の間を閉じる働きのある筋肉)が緩むことがあり、逆流します。肥満によって腹圧が上がったり、腰が曲がって胃を圧迫したりすると、括約筋が閉じられないほど逆流の勢いが強くなります。

 逆流性食道炎は、以前は欧米に多い病気でしたが、わが国でも高タンパク、高脂質など食生活の欧米化や肥満の増加などさまざまな要因が重なり、近年は日本人でも増えてきています。

 主な症状は胸焼け、酸っぱいものが上がる、げっぷが出るなど逆流感が多いですが、咳も比較的よくみられます。逆流性食道炎で咳が起こる仕組みは、食道の下部に逆流した胃酸が刺激になって反射的に起こる場合と、胃酸が喉や気管にまで流れ込み、直接の刺激になって起こる場合とが考えられています。

 長引きやすく、副鼻腔(びくう)気管支症候群(蓄膿(ちくのう)症や気管の病気など)やアトピー咳、咳ぜんそくなどと共に、慢性の咳の原因となります。近年の国内外の調査では、胃食道逆流症患者の10%以上に慢性の咳がみられたとの報告もあり、決して珍しくはありません。

 逆流性食道炎(胃食道逆流症)の治療には飲み薬が効果的で、胃酸の分泌を抑える薬が中心に使われます。酸の分泌を強力に抑制することで、胸焼けやげっぷなどの症状は数日で良くなることが多いです。しかし、咳の改善には2週間以上を要する場合もあり、焦らず治療を続けることが大事です。

 食事では胃酸の分泌を促進するような甘い物や脂っこい物、刺激の強い物を控えます。夜遅くに食事を取らないほか、食べ過ぎない(腹八分目)、食後すぐに横にならないということも気を付けてください。

 日常生活では▽背筋を伸ばす▽前かがみにならない▽下着などでおなかを締め付けない▽重い物を持ち上げない▽便秘にならないように心掛ける-などに取り組み、腹圧を上げないようにします。また、喫煙と飲酒を控える、就寝中は枕を敷いて頭を高くすることなども意識しましょう。

 ご質問の方は以前に逆流性食道炎と診断されたとのこと。常に胸焼けの症状もあるようなので、食道炎は今も良くなっていないと思われます。肥満が原因と言われているようなので、食事や生活習慣に注意し、減量することが必要です。

 他に肺や気管支の病気がないのであれば、逆流性食道炎による咳の可能性も十分考えられます。一度、消化器内科などを受診して治療をご相談してみてはいかがでしょうか。

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