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徳島県小児科医会 日浦恭一

 乳児期以降の単純ヘルペス感染症は不顕性感染が多いのですが、新生児期の感染は最も重症で致命率が高いものです。妊娠中の母親がヘルペスにかかると胎内感染を起こし、先天性ヘルペスとなることがあります。この場合には皮膚症状の他に小頭症や小眼球症などの先天異常が見られることがあります。

これに対して新生児ヘルペスは分娩時に産道で感染する垂直感染や新生児期に接触して感染する水平感染もあります。

 新生児ヘルペスの病型は全身型、中枢神経型、表在型の3つに分けられます。この中で最も重症なのは全身型ヘルペスです。

 新生児ヘルペスの症状は発熱、哺乳力低下、活気の低下などが中心で、ヘルペスに特徴的な症状は見られません。ウィルス血症が起こるために全身の臓器障害が発生します。そのために肝機能障害や呼吸障害、出血傾向、皮疹などが見られます。しかし特徴的なヘルペスの皮疹は約4分の1の症例にしか見られません。

 全身型が最も重症で、無治療では70~80%が死亡すると言われます。中枢神経型の致命率はそれほど高くないのですが、神経後遺症を残すものが3分の2あると言われます。表在型の症状は軽く生命に関わることは少ないとされます。

 新生児ヘルペスは致命率が高く神経系の後遺症も残りやすい大変重要な疾患です。

徳島新聞2010年2月17日掲載

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