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 毎日の規則正しい生活は子どもの健康にはとても大切なことです。決まった時間に起きて、規則正しい食事を摂って、十分に活動した後は早めにぐっすりと眠りたいものです。最近はコンピューターの発達などで社会全体が昼夜の別なく24時間活動しており、子どもの生活も大人の習慣に引きずられるような形で夜更かしが増加しています。今回は子どもの発達にとって規則正しい生活がいかに大切か、その基本になる睡眠のリズムを中心にお話ししたいと思います。

 生活のリズムが少々乱れても、ほとんどの人は毎日ほぼ決まった時間に起きることが出来ます。これは身体の中にあって、時を刻み続ける生体時計の働きによるものです。この生体時計は生まれながら自動的に振動して、環境の時間には関係なくリズムを刻み続けます。しかし体内の時計は1日約25時間の周期で振動していますから、外の世界とは常に時間合わせをしていなければ毎日約1時間ずつ社会の時間とずれてしまいます。ここで大切なのは毎日の時計合わせです。一般に多くの生物で、時間の手掛かりになるのは明暗の変化など物理的な刺激ですが、人の場合には食事や会話、接触など社会的な人と人の交わりが時間の手掛かりになります。日の出にともなう明暗の変化よりも、夜明けにともなって人が起き出す気配や活動開始に伴う動きなどのほうが大きな手掛かりとなるわけです。家族の生活が夜型であれば、子どもの生活も夜型に傾きます。反対に受験勉強などで子どもが夜遅くまで起きていると、家族の生活も夜更かしになってしまいます。

 現在の社会では深夜勤務や交代制勤務などで、睡眠リズムに変調を来たすことが多くなっています。睡眠以外の様々な生理現象、例えば体温や呼吸・循環、消化・吸収、内分泌などはそれぞれリズムが一定の位相で変化していますから、睡眠リズムが環境の時間と解離してしまうと、それぞれの生理現象のリズムが体内で解離してしまいます。体内での規則的な生理現象の維持が困難になってしまうと、体調の異常となることがあります。睡眠をはじめ、規則的な生活は健康維持の基本と考えられます。

2003年7月8日掲載

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