徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

 呼吸をする度にヒューヒューとかゼーゼーとか苦しそうな音が聞こえ、痰が切れにくいとか、激しく咳き込むなどの症状が発作的に起こる人がいます。こういう症状が見られる時には喘息が疑われます。喘息はアレルギー体質のある人に起こりやすく、季節の変わり目や風邪をひいた時に起こることが多いと言われます。ひいた風邪がなかなか治らない場合や、季節の変わり目に毎年同じような症状が出てくる時には喘息に注意しなくてはなりません。

 喘息発作の主症状は呼吸困難で、非常に苦しいものです。呼吸困難のために学校生活や運動など、日常活動も障害されるようになります。喘息発作は軽い場合には喘鳴や軽い陥没呼吸だけの時もありますが、中等度以上の発作になりますと呼吸困難を訴えてきます。そのため昼間の活動ばかりでなく、睡眠にも影響が現れます。喘息の発作は夜間や明け方に起こることが多いので、睡眠が十分に取れなくなります。睡眠中の姿勢によっても呼吸困難がひどくなり、身体を横にすると苦しく、膝を抱えて座ったままの状態で、一睡も出来なくなることもあります。発作が重くなると著しい呼吸困難からチアノーゼを呈し、さらに重くなると低酸素状態から生命の危険を感じることもあります。

 小児の喘息はアトピー性皮膚炎などのアレルギー体質を持つ子どもが、呼吸器系の感染症や刺激の強い化学物質の吸引によって、気管支粘膜の障害を受け、防御機構の破錠からアレルゲンが生体内に侵入しやすくなり、その結果として喘息を発症するに至ります。特に小児では呼吸器系の感染症を繰り返すことによって、徐々に喘息発作が明らかになっていきます。

 以前は、小児の喘息は大人になれば治ってしまうと考えられていましたが、これは小児が大きくなるに従って感染症にかかり難くなるためで、不十分な治療のままに喘息を放置すれば、小児の喘息も大人まで持ち越してしまうことになります。重い発作を起こした人はもちろんですが、軽い発作でも繰り返している場合には、治療を継続する必要があります。

2002年11月12日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.