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県民の皆さまへ

 子どもがベッドから落ちたとか階段から落ちたとかの転落事故は思いの他多いものです。落ちて頭を打ったのですが、大丈夫でしょうかという問い合わせが随分あります。

 事故の中で多い転落事故についてお話ししたいと思います。子どもが寝返りをするようになると、ベッドの端に寝かせておいた子どもが寝返りをうった途端にベッドから落ちてしまうことがあります。少し大きくなって、自分で立ち上がって伝い歩きを始め、2階の階段の上から下まで落ちたり、ベッドの柵を乗り越えて頭から落ちることがあります。椅子に座らせておいても自分で身を乗り出して倒れることがあります。子どもは大人に比べて頭の比率が大きいのでバランスを崩しやすいのが特徴です。また、何にでも興味を示して頭から乗り出して見ようとするために、頭から落ちるような事故を起こします。頭は非常に大事なところですから、頭を打つことで大変な結果を招くこともあるわけです。

 頭を打った場合に最も大切なのは直後に意識があるかどうかということです。頭から落ちた場合でも、転倒や衝突の場合でも同じです。意識がなくなった場合には、頭蓋内に出血などの重篤な異常が発生した可能性を考えて検査をし、経過を観察していかなければなりません。意識はあってもひどく高いところから落ちて強い衝撃を受けている場合には、時間が経ってから症状が出てくることもあります。直後には意識があったのに、しばらくして徐々に意識がなくなっていく場合にも注意が必要です。その他大切なことは、神経の症状が見られるかどうかと言うことです。手足の動かし方がおかしい時や目つきがおかしい時には要注意です。またけいれんが見られる時や嘔吐がある時にも同じです。また意識はあるがなんとなく変だとか、ひどく不機嫌な時、放っておくとすぐ寝てしまう時などにも気をつけねばなりません。以上の様な症状が見られた時にはレントゲンやCT検査のできる病院に受診しましょう。

 いずれにしても転落や衝突に伴う頭部の打撲はあってはならないことだと思います。伝い歩きをを始めたり寝返りを始める時期には危険のないように注意したいものです。

2002年3月26日掲載

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