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 柑皮症は、以前はミカンを多く食べる冬季に限られていたが、最近ではカロチンの多いニンジンジュースなどの影響もあるのか、季節を問わず見受けられるようになった。柑皮症という名前はベルツという人が、ミカンなどをたくさん食べたこどもの皮膚が黄色くなっているのに気づいてつけられた症状名である。黄疸ではないかと心配して医者に診察を求められる母親も多い。

 母乳栄養の赤ちゃんでは、母親の摂取食品によって、母乳のカロチノイド色素含量が増加し、そのために赤ちゃんの皮膚が黄色くなることがあり、鼻のまわりに黄染が目立つ。幼児以上になると、手のひら、足のうら、鼻翼の順に黄染がみられ、眼球鞏膜(しろ目)の黄染はない。そして皮膚の黄染は、その程度にもよるが、消失に1~3カ月を要する。

 カロチノイド色素の多い食品はミカン、ニンジン、カボチャ鮭肝油、ウニ、赤色ヤシ油などのほか、スイカ、トマトの赤い色もカロチノイド色素である。カロチノイド色素のあるものはビタミンAに変化する。このようにカロチノイド色素の多い食品を多く摂取すると、個人差はあるが、柑皮症(カロチン血症)になるが、幸いなことに肝臓病やビタミンA過剰症になる心配はないと言われている。

 大切なことは、柑皮症に気づいたらカロチノイド色素の多い食品摂取の偏りを改めることである。

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