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徳島県小児科医会 日浦恭一

 RSウイルスは一般的なかぜの原因ウィルスで1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%が感染を受けると言われます。RSウイルスにかかった乳児の30~40%が下気道炎を発病し、1~3%が重症化して入院が必要になると言われます。


徳島県小児科医会 日浦恭一

 RSウイルスという言葉をよく耳にするようになりました。RSウイルスはかぜの原因ウイルスで、ほとんどの子どもが2歳までにかかると言われます。RSウイルスは母体からの免疫では防ぐことが出来ず、乳児期早期にもかかることがあります。RSウイルスはかかっても免疫が出来にくく、何度もかかることがあります。


徳島県小児科医会 日浦恭一

 インフルエンザは毎年冬に流行します。昨年の新型インフルエンザは初夏から始まって10月から11月にピークを迎えました。今年はまだ昨年のような爆発的な流行は見られません。各地で発生しているインフルエンザも散発的なものが多いようです。

 今年のインフルエンザは昨年流行した新型インフルエンザに加えてA香港型やB型も検出されています。Aソ連型は新型インフルエンザにとって代わられたようです。

 そこで今年のインフルエンザワクチンですが、新型、A香港型、B型の3種類のウィルス型が含まれています。

 ワクチンは血液中の抗体を産生するのには大変有効なワクチンです。ワクチンはウィルス表面のHA抗原に反応してIgG抗体を産生します。IgG抗体は侵入したウィルスを中和して重症化を防ぐものです。

 しかし現在のワクチンでは鼻やのどの粘膜にあってウィルスの侵入を阻止するIgA抗体を産生することはできません。したがってウィルスがのどや鼻から侵入して感染を起こすことを防ぐことはできません。

 ワクチン接種に対して成人では抗体が速やかに上昇して、この抗体は約5カ月間持続します。子どもはワクチンに対する反応が悪いために2回接種します。昨年、新型インフルエンザに罹った人でも免疫は低下しています。さらに新型だけでなくA香港型やB型も流行する可能性がありますからワクチンを接種する必要があるのです。

徳島新聞2010年12月22日掲載

徳島県小児科医会 日浦恭一

 インフルエンザは高熱、のどの痛み、せき、鼻みず、頭痛、倦怠感などの他、嘔吐や下痢、腹痛などの消化器症状も示す症状の強いウィルス感染症です。一般の感冒と違う点は伝染力が強いこと、症状が多彩で強いこと、合併症が多いことなどです。高齢者や乳幼児がかかると肺炎などの呼吸器系の合併症や脱水症を起こしやすく、小児では脳炎、脳症などの神経系の合併症も見られます。


徳島県小児科医会 日浦恭一

 昨年は新型インフルエンザが大流行する中でその治療と予防接種が重なり、全国の医療機関は大混乱となりました。初めて経験する新型インフルエンザについて様々な情報が乱れ飛び、当初考えられていたような強毒性のインフルエンザでなかったことが幸いして、年を越してやっと終息しました。


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