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【質問】 1歳児の目が外側に寄る

 1歳半の子どもが、先日「間歇(かんけつ)性外斜視」と診断されました。確かに、寝起きなどぼんやりしているときは、黒目が外側に寄っています。今のところ、手術の必要はないと言われたのですが、普段、気を付けたらよいことはあるのでしょうか。また、今後、どのような治療をしていくのか、教えてください。



【答え】 間歇性外斜視 -悪化するなら手術の方向で-

板東眼科 板東 康晴(阿波市土成町)

 間歇性とは「時々起こる」という意味です。間歇性外斜視は、時々どちらかの目が外にずれてしまう状態のことで、斜視の中では最も多くみられます。軽度の間歇性外斜視の方は、普段は視線のずれは全くないのですが、寝起きや疲れたとき、眠いときなどに片方の目が外へずれてしまいます。しかし、注意を促すと、すぐに真っすぐに戻ります。

 典型的には、1~2歳ころに、保護者が気付くことが多いようです。進行すると、ずれる角度が大きくなり、ずれる頻度も多くなって、集中しても真っすぐになりにくくなります。

 斜視の程度や進行の早さは、個人差が非常に大きく、2歳ごろにすでに大きい角度のずれが頻発する場合もあるし、中学生ころからずれが目立ちはじめることや、50歳を過ぎてからひどくなる場合もあります。逆に、2~3歳では、外斜視がやや目立っていても、4~5歳で自然に軽くなってくる場合もあります。

 間歇性外斜視における目の機能上の問題は、立体感の低下です。ずれのない時は立体感はほぼ正常ですが、片目がずれているときは立体感が乏しくなります。また、屋外など明るいところへ出ると、まぶしがったり、片目をつぶったりすることも、間歇性外斜視によくある症状です。純粋な間歇性外斜視では、矯正視力が低下することはあまりありません。

 しかし、本人にとって、多くの場合は、外見上の問題のほうが重要です。小学生以上になると、みかけのことを本人や周りの人が気にするようになる場合があります。これも個人差が大きく、ある程度のずれを生じていても、気になるかどうかは、本人の性格や、お顔の横幅なども影響します。

 治療の主体は手術です。眼球を動かしている筋肉の位置を付け変える手術を行います。集中しても戻りにくくなったときや、外見上の問題が出そうになる時点で手術を行います。手術を行う年齢は、2歳代のこともあるし、小学校から高校、大人になってからなど、進行の早さによってさまざまです。小児は全身麻酔で、大人は局所麻酔で行うことが多いです。

 相談者の場合、当面は眼科に定期的に受診していただくことが重要です。

 幼児は成長とともに目の状態が変化してきますので、眼科で斜視の程度を記録していき、手術が必要になりつつあるかどうかを検討します。また近視・乱視・遠視や斜視以外の目の異常が合併していないかを調べます。近視や乱視がある場合は、眼鏡をかけられる年齢になれば、かけたほうが、外斜視がやや出にくくなる場合があります。

 家庭では、輻湊(ふくそう)の訓練(小さいおもちゃなどを目に近づけて見せて、寄り目にする練習)が有効な場合があります。普段から斜視が悪化しているのかどうか気を付け、眼科を受診する時に、担当の医師に伝えてくださると参考になります。

徳島新聞2009年1月11日号より転載

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