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【質問】 鼓膜に穴 耳の聞こえ悪い

 子どものころに中耳炎にかかり、鼓膜に穴が開いています。このため耳の聞こえが大変悪いです。手術はしたくないので、手術以外で改善できる方法があればと思っています。また、外から鼓膜を張ることができると聞いたことがありますが、長く持つのでしょうか。害がないのかも心配です。



【答え】 難聴(なんちょう)と鼓膜穿孔(こまくせんこう) -自身の組織 使用し再生-

たなもと耳鼻咽喉科クリニック 棚本 洋文

 まず、聞こえの構造から説明します。耳から入った音で鼓膜が振動します。鼓膜の奥には音を伝える3つの骨があり、その奥にリンパ液の入った空間があります。その空間には聞こえの細胞があり、そこから聞こえの神経を通って音が脳で認識されます。

 ご質問は、子どものころに中耳炎にかかり、鼓膜に穴が開いて耳の聞こえが悪いとのこと。この場合、次の原因が考えられます。<1>鼓膜に大きな穴が開いている<2>聞こえを伝える骨のつながり状態が悪い<3>聞こえを感じる細胞の力が落ちている<4>以上の3つの原因が組み合わさっている-ケースです。

 例えば、太鼓に大きな穴が開いている場合、皮を張りかえると響きを取り戻します。これと同じように鼓膜の穴を閉じると、鼓膜の振動が音をきれいに伝えることができるようになり、聞こえがよくなります。

 外から鼓膜を張ることができる、と聞いたとのことですが、次の3つの場合が考えられます。

 一つ目は、自身の体の一部の組織を使って鼓膜を張り直す手術治療です。鼓膜は自身の組織ですので、手術が成功すれば長持ちします。鼓膜の穴の大きさや骨のつながりの状態によって、日帰り手術になったり、入院手術になったりします。

 二つ目は、自身の組織を使用せず、体に吸収される人工材料を用いて鼓膜の閉鎖を助ける方法です。全国的に一部の病院で行われております。うまく閉鎖しますと長持ちしますが、成功率は、自身の組織を用いる方法よりも低いです。

 三つ目として、外からの力によって鼓膜に穴が開いて長期間たっていない場合、鼓膜の外側に人工材料を短期間だけ張り付ける方法があります。鼓膜の再生を助ける補助的な目的で行われます。

 この場合は人工材料を張り付けているだけなので、後で張り付けたものを外さなければなりません。ずっとそのままにしておくと感染の原因にもなり、鼓膜の穴が大きくなることもあるので、しっかり経過をみなければいけません。長期間穴が開いている鼓膜でも、穴が極めて小さいときに限って行われることがありますが、成功率は低いと報告されています。

 聞こえが大変悪いとのことですので、鼓膜に大きな穴が開いていているだけではなく、聞こえを伝える骨のつながりも悪かったり、聞こえの細胞の力も落ちていたりする可能性があります。鼓膜の状態、聞こえの状態を検査して対策を検討してください。

 鼓膜を張ることによって聞こえがよくなるかどうかを確かめる検査があります。実際に鼓膜の穴に外側から人工材料を張り付けて聞こえの程度を調べる検査です。比較的簡単に行えます。

 手術を避けたいとの希望があれば、聞こえの程度に応じて、補聴器を選択することもできます。聞こえが悪いことに関して不安な点は、耳鼻咽喉科の専門医にお問い合わせください。

徳島新聞2008年4月13日号より転載

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