【質問】 装着したまま睡眠、目痛い
1日使い捨てのコンタクトレンズを利用しています。同じものを使用している友人が、「寝る前に外すのを忘れてしまい、次の日に外した時、レンズに薄い粘膜のようなものが付いていた」というのです。目をこすったかどうか分からないようですが、痛みも伴っていたようです。私もよく外し忘れることがあるのですが、そのままにしておいていいのでしょうか。そんな場合は眼科に行った方がいいのでしょうか。
【答え】 コンタクトレンズ使用の注意 -「使い捨て」の期限守って-
藤江眼科 藤江 準(徳島市かちどき橋1丁目)
最初に、使い捨てコンタクトレンズについて説明します。従来型のソフトコンタクトレンズは、ハードコンタクトレンズに比べて装用感は良いのですが、汚れがレンズに付きやすく、毎日の洗浄と消毒が煩雑なのが欠点でした。この欠点を補うため開発されたのが使い捨てのコンタクトレンズで、今はソフトコンタクトレンズのみが販売されています。
代表的な製品には、1週間連続装用、2週間終日装用、1日で捨てるタイプ、の3つがあります。つまり、レンズが汚れる前に捨てていつも清潔なレンズを装用するので目に良いわけです。
ソフトコンタクトレンズで多いトラブルの一つに、アレルギー性結膜炎があります。これはタンパク質の汚れがレンズに付着して起こります。しかし、使い捨てコンタクトレンズなら汚れが付着する前に捨てるので、アレルギーなどのトラブルは少なくなります。またレンズの厚みが薄いため、装用感がハードコンタクトレンズや従来型ソフトコンタクトレンズよりいいほか、1枚当たりの単価が安いので、紛失したときもスペアレンズがあれば安心です。
しかし1年当たりの費用はかなり高く、乱視が強い人には矯正視力が多少悪いなどのデメリットもあります。基本的には従来型のソフトコンタクトレンズと大きく変わらないので、強度近視の人、遠視の強い人、乱視が強い人以外なら試してみるとよいと思います。普段はハードコンタクトレンズや従来型のソフトコンタクトレンズを使い、スポーツや旅行の場合だけ1日で捨てるタイプを使うのもよいでしょう。
使い捨てコンタクトレンズはソフトコンタクトレンズなので水分を多く含みます。そのためハードタイプ以上に細菌感染に注意しなければなりません。レンズの脱着のときは手をきれいに洗い、2週間タイプは必ず洗浄消毒をしなければなりません。また決められた期限を超えて使わない、終日装用タイプは着けたまま夜眠らないのが大原則です。
いくら優れたコンタクトレンズでも異物ですので、目にまったく悪影響を及ばさないことはあり得ません。使い捨てコンタクトレンズは薄く装用感が良いため、目に異常が起きても自覚症状が出にくく、失明の原因になりうる角膜潰瘍(かいよう)などを起こしやすいことが報告されています。
質問の人は、1日タイプを着けたまま夜眠ってしまったとのことですが、これは絶対に避けるべきことで、痛みや充血がなくても、翌日に眼科専門医に診せた方がよいと思います。
コンタクトレンズは高度管理医療機器に指定されており、眼科専門医の管理下で使用しなければなりません。適切な処方と装用、正しいレンズケアと定期検査を受けることが大切です。少しでも違和感を覚えたら、早めに検査を受けましょう。