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【質問】 下痢っぽく血液検査で異常

 35歳の男性です。先日、会社の健康診断を受けたところ、血液検査で「多血症の傾向にある」との結果が出ました。注意事項には「脱水症状に注意してください」とありましたが、どんな病気でしょうか。そして、どんなことに注意すればいいのでしょうか。注意事項には「高脂血症」も併せて書いてありました。よく下痢っぽくなりますが、関連しているのでしょうか。教えてください。



【答え】 多血症 -ストレス避け生活改善-

阿波病院 診療部長 吉田 健三

 血液は血しょうと呼ばれる液体成分と赤血球、白血球、血小板などの血球成分からなり、体内を循環しています。多血症とは血液中の赤血球が単位体積あたり増加した症候で、赤血球増多症とも呼ばれます。

 血液中に占める赤血球の割合をヘマトクリット値、赤血球中の血色素量をヘモグロビン値と言いますが、一般に赤血球数600万、ヘマトクリット値55%(女性は50%)、ヘモグロビン値18.0グラム(女性17.0グラム)のいずれかを超えると多血症と判定されます。

 多血症は<1>循環血しょう量が減少したために起こる相対的な多血症<2>循環赤血球量が実際に増加している絶対的な多血症-とに分類されます。

 相対的多血症は嘔吐(おうと)、下痢などによる脱水のために血しょう量の低下した見かけの多血症と、明らかな原因のないストレス多血症とがあります。ストレス多血症は赤ら顔で、肥満、高血圧があり、喫煙をしている中年男性によく見られ、多くは飲酒歴もあります。精神的な緊張状態にある場合に見られ、高脂血症、高尿酸血症などを合併する傾向にあります。

 絶対的多血症は、真性多血症と二次性多血症とに分類されます。真性多血症は赤血球が腫瘍(しゅよう)性に増加したもので、白血球や血小板の増加も伴い、脾臓(ひぞう)の腫大が見られます。二次性多血症は高地居住者、過度の喫煙、心臓や肺の病気などで酸素不足をきたすことにより、腎臓で作られる造血因子エリスロポエチンの濃度が上昇して多血症になります。腎疾患やエリスロポエチン産生腫瘍が原因となることもあります。

 一般的に絶対的多血症よりも相対的多血症の方が多いとされ、当方関連の健診調査でも、中年の肥満男性で過度の喫煙者によく見られています。

 多血症の症状は血液循環障害のための頭痛、めまい、耳鳴りなどがあり、また静脈や動脈の血栓症や出血傾向をきたすこともあります。

 相談の男性の場合、生活習慣や検査成績が分かりませんが、結果が「多血症の傾向にある」となっているので、恐らく上記の基準に達していないが、それに近い値を示していると推定されます。特に治療の必要は指摘されていないようなので、原因となるような二次性の病気はないと思われ、高脂血症がある点を考えれば、まずストレス多血症が考えられます。

 一般的な注意事項は、過労を避け、禁煙、アルコール制限を行い、体重、高血圧、高脂血症などのコントロールが必要です。また、多血症では血液が濃く流れにくいため、普段から水分摂取を心がけ、脱水症にならないよう注意する必要もあります。その上で半年後に再検査を受け改善を確認することが望まれます。改善の見られない場合は、あらためて血液専門医に相談してください。

 注意事項の高脂血症ですが、上述のようにストレス多血症でよく見られる異常の一つで、肥満や飲酒が関係しています。また、下痢傾向の原因には種々のものがありますが、近年はストレスと関連した過敏性腸症候群が多く見られます。まれに飲酒や高度の高中性脂肪血症が膵(すい)炎を起こし、下痢の原因となることもあります。高脂血症、下痢傾向に対しても、多血症と同じく節酒、禁煙、肥満予防などの生活習慣を正しく行うことが大切です。

徳島新聞2002年12月8日号より転載

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