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【質問】 メニエール病ってどんな病気

 53歳の女性です。数日前に自宅で炊事をしているとき、急に天井がクルクル回るめまいがして、立っておれなくなりました。同時にむかつきがあり、トイレへ行くのにはわねばなりませんでした。医者にはメニエール病と言われましたが、一体どんな病気で何が原因で起こるのでしょうか。また今度起こればどうすればよいのでしょうか。



【答え】 内耳のむくみ -難聴伴い検査が重要-

徳島市民病院 耳鼻咽喉科診療部長 高石 司

 メニエール病の原因と治療についてのご質問と考えます。グルグルまわる回転性のめまいは、耳の病気でも、脳の病気でも起こります。メニエール病は、耳が原因で起こるめまいの代表的な病気です。

 メニエールとは人の名前です。めまいはそれまで脳の病気だとされていましたが、1861年にフランスのメニエールは、内耳からめまいが起こることを初めて示しました。原因は内耳の内リンパ水腫(すいしゅ)(内耳のむくみ)です。

 メニエール病の内リンパ水腫は、内リンパ液の産生過剰と吸収障害が原因で起こると考えられています。症状は何の誘因もなく(発作的に)数分から数時間続くクルクル回るめまいと、それに伴う耳鳴り、難聴(低い音が聴こえにくくなるため耳の詰まったような感じ)です。乗り物酔いと同じように吐き気や嘔吐(おうと)、冷や汗などの自律神経症状が現れます。

 症状の軽いときには物が流れる感じや、体が揺れる感じのときもあります。通常は同様のめまい発作が年に数回程度(反復して)起こります。病気の初期では、発作がないとき、聴力は元に戻りますが、発作を繰り返すうちに次第に悪化し、元に戻らなくなります。

 それではメニエール病はどのように診断するのでしょうか。

 厚生省研究班の診断基準は、<1>回転性めまいを反復する<2>耳鳴り、難聴など蝸牛(かぎゅう)症状(聴こえについての症状)が反復する<3>中枢神経疾患(脳の病気)、原因が既に知られているめまい、難聴を主訴とする疾患を除外できる-となっています。

 メニエール病によく似た症状を示すめまいの病気も多いため、診断には具体的な検査が必要です。めまいに対する検査としては、目の異常な揺れ(眼振)を特別なメガネでみたり、三半規管の働きを調べるために、外耳道に冷水を入れたりして検査することがあります。

 メニエール病は難聴を伴うことが特徴で、聴力検査は特に重要です。また発作が繰り返し起こるため、眼振検査や聴力検査で経過をみる必要があります。確定診断のためには内リンパ水腫に対する検査も行います。

 さて治療ですが、他のめまいの場合にも使用される抗めまい剤や、内耳血流改善剤が処方されます。内リンパ水腫を改善する目的で利尿剤が使われることも特徴です。このような内科的治療で良くならないときは、内リンパ水腫に対して減圧するための手術や、病気の側の内耳を破壊してめまいを治す手術などの外科的治療も行われます。

 ご質問の今後の対応ですが、経過をみる必要があります。メニエール病は反復するめまいの病気です。経過観察中に他の病気の診断がつくこともあります。

 ところで、最近、週刊誌やインターネット上でメニエール病らしきめまいに対し、ある種の薬が有効であったとの報告が公開され、めまいの学会からの反論も公開されています。適切な診断のもとでの治療が望まれます。

徳島新聞2001年9月9日号より転載

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