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【質問】 唇の締まりが悪い

 15歳の男の子のことで相談します。幼いころから唇の締まりが悪く、耳鼻科や歯科で相談したのですが、成長とともに治るでしょう、といわれました。しかし、この年齢になってもいっこうに治りません。歯の矯正もしてみました。鼻呼吸と口呼吸の両方をしているのが原因であるようなのですが、どうすれば口を閉じることができるでしょうか。



【答え】 開口 -のどか鼻に原因-

大櫛耳鼻咽喉科医院 院長 大櫛 弘篤(徳島市寺島本町東2丁目)

 開口は3歳ごろまでは比較的多く見受けられますが、それ以後では、正常な鼻呼吸のできるお子さんでは、風邪の時以外は、口元をしっかり閉じるようになります。6歳以後も開口が続くと、永久歯が生えそろう際に、口呼吸のために唇の締まりが悪くなり、歯が押し出され、歯列の上下にずれが生じてくるわけです。

 ご質問のように、口呼吸、開口が続くと、成長されるに従って、口元の変化が目立ってきますので、ご両親にはさぞ心配なこととお察しいたします。唇を閉じて、日常、鼻呼吸で生活できるようにするには、まず耳鼻科を一度受診されて、鼻からのどにかけての通気ルートに何か障害がないかどうかを調べていただくことをお勧めします。


 幼少時からの開口が習慣になって放置されてしまった場合と、過度の肥満からくる開口がまれに見られますが、ほとんどのお子さんは大きく分けてのどと鼻のどちらかに原因があるようです。のどでは、アデノイド肥大、へんとう肥大が考えられます。就寝中の開口、いびきなどが主な症状ですが、へんとう肥大は、口を大きく開けると直視できますし、アデノイド肥大はレントゲン写真とか内視鏡検査によって容易に診断できます。

 一方、鼻ではいろいろ考えられますが、急増しているアレルギー性鼻炎が代表で、鼻粘膜のはれのために鼻づまりがひどくなります。アレルギー性鼻炎には、鼻閉以外にくしゃみ、鼻水、鼻がかゆい、目がかゆいなどの症状が見られるのが特徴です。その他には、慢性の肥厚性鼻炎や小児副鼻腔(くう)炎、鼻ポリープなどが口呼吸の原因として考えられます。

 検査により、アデノイド肥大、へんとう肥大、あるいはその両方が原因と判断されれば、手術によって口呼吸やいびきは改善されます。理想的には5~6歳までに処置されるのが望ましいのですが、特にアデノイド肥大は、口呼吸だけでなく、年長時になりますと注意力が散漫となり、記憶力が減退することはよく知られています。

 鼻アレルギーが原因で鼻づまりが続いている場合には、まず1カ月間は点鼻薬、内服薬で経過を見て、それでも症状が改善されないときには、鼻の通りをよくするための肥厚性鼻炎の手術(効果が長い)か、レーザーあるいは高周波による鼻内焼灼(しょうしゃく)が一般に行われています。

 小児副鼻腔炎は、大人に比べ、内服などにより治りやすいので、早めの治療開始が望まれます。ただ、最近では、副鼻腔炎とアレルギーの合併している症例が増加していますので、そのような例には、また鼻閉を引き起こさないためにも、副鼻腔炎が良くなった後もアレルギーの治療を続けることが大切です。

 適切な診断がされ、通気ルートが改善されれば、その後は歯列の矯正と並行して、親が根気よく口を閉じて鼻で呼吸するよう指導してください。そうすれば、本人も関心を持って鼻呼吸するように努力し、歯列も次第によくなってくるでしょう。

徳島新聞1999年11月14日号より転載

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