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徳島大学病院・麻酔科 曽我朋宏 先生

 

 痛み恐れず趣味や運動を

 【答え】肋間神経痛の原因はさまざまです。まれに内臓の重大な疾患(腫瘍や胸膜炎、狭心症、肺炎など)が原因のことがあります。

 自己診断で肋間神経痛と考えているなら、すぐに医療機関を受診してください。

 関節の機能異常や炎症、肋骨や胸椎の骨折、捻挫、椎間板ヘルニアなどの筋骨格系の異常が原因のことが多いです。さらに、帯状疱疹(ほうしん)ウイルスによる神経障害なども原因になります。

 詳しく調べてもこのような病気がない場合は、特発性肋間神経痛という診断名になります。特発性肋間神経痛は、肋間神経の異常興奮で起きます。片側の肋骨に沿って、発作的に繰り返す針で刺したような鋭い痛みが典型的です。

 明らかな異常がないのに3カ月以上痛みが続く場合は慢性痛です。慢性痛が起きる仕組みは非常に複雑で、主に神経系の異常興奮が痛みの原因の一つとされています。

 慢性痛は消炎鎮痛薬だけでは無効な場合が多く、副作用に注意しながら抗うつ薬、抗けいれん薬などさまざまな薬剤を組み合わせて処方することが一般的です。痛みを感じている神経への注射(神経ブロック)や理学療法を組み合わせることもあります。

 慢性痛の対処法は、それだけではありません。痛みへの過剰な不安は神経系を刺激して痛みが増します。

 痛みを恐れすぎず、ストレスの少ない毎日を送ることが大切です。外出して友人と会うことや、趣味に没頭するのもいいですね。

 適度な運動は痛みを軽減します。できる範囲で結構です。散歩などの軽い運動を習慣づけることから始めましょう。

 検査で明らかな異常がなくて、痛みが日々増すこともなく、通常の日常生活を送れているなら心配ありません。痛みを恐れず上手に付き合うことが大切です。

20180331

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