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【質問】 まぶたの下に脂肪が・・・

 60代の女性です。4~5年前からまぶたの下に脂肪のようなぶよぶよができました。とても老けて見えるので取り除きたいのですが、どんな方法がありますか。日数や費用なども教えてください。傷跡などが残らないか、との心配もあります。



【答え】 バギー・アイリッズ -手術など治療方法選択-

徳島皮フ科クリニック 玉田 伸二(徳島市川内町加賀須野)

 年齢と手紙の症状から考えて、「Buggy eyelids(バギー・アイリッズ、膨らんだバッグのような目元)」といわれている状態と思います。眼球を支えている組織が老化で緩み、眼球が下がり、眼窩(がんか)の奥の脂肪が押されて、ヘルニア状に表面に飛び出した状態です。治療には、以下のような方法があります。

 【切開手術】下まぶたのまつ毛の生え際から数ミリ下を目頭から目じりまで切開し、飛び出した脂肪を取り除き、再び脂肪が飛び出してこないように、その下の組織を縫い縮めます。

 手術は両方で約1時間近くかかります。保険適用されないため、費用は全額自己負担です。金額は医師の経験、施設などによって異なりますが、30~40万円のところが多いと思います。

 術後1カ月くらいは、かなり腫れます。ボクシング選手の試合直後の目元の腫れを想像してもらえればいいと思います。傷跡は下まぶたのまつ毛の下に線として生涯残ります。3カ月くらいは赤い線で、白い線の傷に落ち着くには1年くらいかかります。

 女性であれば、アイラインなどで隠す必要があると思います。同じ傷跡でも、患者さんの感受性は一人一人さまざまです。少しでも傷が気になるようであれば、手術は避けたほうがいいでしょう。

 なお、かなり技術差が結果に反映する手技ですので、できるだけ経験豊富な日本形成外科学会の専門医に相談することを勧めます。

 【高周波】高周波(RF)電流を流して皮膚の中でやけどを発生させ、皮膚を引き締める方法です。ダイオードレーザーを組み合わせたものもあります。

 学会場で盛んに業者が売り込みをしていますが、私たち皮膚科専門医や形成外科専門医の間では、どの機器も費用のわりにあまり効果が実感できないことが多い、というのが正直な感想です。

 【局所脂肪融解】脂肪組織の一点にエネルギーが集約される超音波(ウルトラ・シェイプ)を外から当てて、その部分だけの脂肪を溶かす方法です。胆石、腎結石などを超音波で破壊するのと同じ原理で、ウエスト、下腹部、太ももなどに関しては、非常に良いデータが出ています。痛み、傷跡、副作用もなく、とても優れた方法です。

 ただ、残念ながら下まぶたに関してだけは、まだ治験が終了していない状態です。もう少し待ってもらう必要があります。

 【脂肪注入】飛び出した部分よりも下側に、腹部から吸い出した脂肪を注入して、飛び出しを目立たなくする方法です。顔に傷跡は残りませんが、切開手術と同じく一カ月くらいかなり腫れます。

 脂肪注入も切開手術と同様、かなり技術差が結果に反映する手技です。慣れた上手な医師にやってもらう方がいいでしょう。経験豊富な形成外科医が書いた本も多数あるので、治療方法を選択する際の参考にしてください。

徳島新聞2005年12月18日号より転載

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