子どもの気管支喘息が増えていると言われます。その原因はわかりませんが、子どもたちを取り巻く環境が悪化しているのかもしれません。
喘息は呼吸困難を訴える病気ですから、発作が起こると普通の生活をおくることが難しくなります。喘息治療の目標は呼吸困難を取り除き、普通の生活や普通の睡眠がとれるようにすることです。学校を休むことなく、他の子どもたちと同じようにスポーツができるようにすることが治療の目標です。
喘息の病態は気管支壁の収縮による気道の狭窄(きょうさく)ですから、第一に必要な処置は狭くなった気道を広げることです。この薬が気管支拡張剤です。気管支拡張剤を吸入で使用すると、もっとも早く効果があらわれます。
しかし気管支が広がっても気管支壁にはアレルギーによる慢性炎症が残っていますから、喘息発作を反復している人は、前よりも少ない刺激で気管支が収縮するようになっています。これが気道の過敏性が亢進(こうしん)した状態です。したがってくり返す発作には気管支拡張剤を使用するだけではだんだん効果が見られなくなります。
そこで慢性の経過をとる喘息に対しては、気道の慢性炎症を抑えるために、抗炎症効果のある薬剤の投与が必要になるのです。このような治療は発作の見られない時期にも継続投与することによって、発作を予防することができます。
喘息の症状は急性期の呼吸困難の強い時期を過ぎると、少しくらい気管支の狭い状態であっても、あまり苦痛を訴えなくなることがあります。治療が不十分でも訴えが少なくなると、治療を中断してしまう危険があります。
喘息は慢性疾患ですから一時的に良くなっても治療を続ける必要があります。喘息の治療を中止するときの判断は主治医と十分相談して決めること大切です。
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気管支喘息 -3-
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- カテゴリ: 小児科相談
2007年11月28日掲載