血管性紫斑病は小児によく発病する全身の血管炎で皮膚症状、関節症状、消化器症状を主な特徴とする疾患です。
紫斑病の発疹は初期には蕁麻疹様で1~2日すると紅斑から出血斑に変化します。発疹は左右対称性に出現して下肢伸側に多く膝、足、臀部に好発します。上肢でも肘関節周囲の伸側に多く見られます。出血斑は多くが2週間以内に自然に消退します。
血管性紫斑病に皮膚症状は100%出現します。関節症状は50~60%に見られますがその症状は足や膝の1つか2つの関節に疼通、腫脹、運動制限が見られますが比較的軽く終わるとされます。腹部症状は消化管出血による症状で腹痛、嘔吐、血便、下血などが見られます。腹部症状は50~60%出現しますが、紫斑出現の1~3日前に腹部症状が見られることがあり、この場合には腹部症状が強いと言われます。消化器症状の合併症として腸重積や虫垂炎も知られており激しい腹痛を見た時には血管性紫斑病による腹痛も鑑別する必要があります。
血管性紫斑病に合併した腎炎は紫斑病の予後を左右すると言われます。紫斑病では免疫グロブリンの1種IgAを含む免疫複合体が腎臓の糸球体メサンギウムに沈着することで腎炎が発症すると言われます。従って、慢性腎炎の代表的な疾患であるIgA腎症と多くの共通点を持ちます。紫斑病における腎炎発生頻度は20~60%とされ、9歳以上の年長児に多く、小児腎炎の15%を占め重要な疾患です。腎炎発症までの期間は45%が1週間以内、80%が1ヵ月以内であるとされますが3ヵ月をこえるものが数%あり長期経過観察の必要があります。紫斑病はほとんど予後良好の疾患ですが、腎炎の重傷度が紫斑病の予後を決定するとされます。
2003年4月22日掲載
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血管性柴斑病 2
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