単純性熱性けいれんは自然に止まり、その回数は1回か2回ですから予防を考える必要はありません。ただ初めて熱性けいれんを起こした場合に2回目の発作が起こるのかどうかの判断は困難です。熱が出る度に不安になると思いますが、2回目の発作を起こせば3回目を起こす確立が高くなり、それ以降の発作予防が必要になると考えられます。
発作の予防には抗けいれん剤ジアゼパム座剤を使用します。一般に解熱剤では熱性けいれんの予防はできないとされます。いたずらにけいれんが恐いと言って解熱剤を使用するのは発熱を来たす感染症の治癒を遅らせることになりかねません。けいれんの予防薬は複雑性熱性けいれんと診断された人、即ち熱が出ると必ずひきつける人やひきつけが始まるとなかなか止まらない人に予防のために使用する薬です。しかし熱性けいれんを予防することは、必ずしもてんかんの発症を予防することにはならないとされています。熱性けいれんに対する予防処置は1~2年間で終わることが多いのです。
けいれん発作に対しては、まず安静にして二次的な事故が起こらないように注意します。転落や打撲による外傷、嘔吐、誤嚥などによる窒息が起こらないように安全な場所に静かに寝かせます。嘔吐・窒息など顔色がよく判るように上向きに寝かせて呼吸が楽に出来るように衣服はゆるめておきます。口に物を詰めると歯や歯肉を傷つけることや、窒息を見逃す原因になり危険です。
けいれん発作の時にはあわててしまって大切なけいれんの特徴を見逃していることがあります。とくに持続時間や発作型については簡単にメモをとっておきましょう。熱性けいれんと判って、発作が止まっていれば必ずしも病院で受診する必要はありませんが、初めてのけいれんの場合にはけいれんが治まってから原因となる疾患がないか確認のために受診しましょう。
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熱性けいれん 3 :熱性けいれんの予防について
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- カテゴリ: 小児科相談
2003年2月25日掲載