寒くなると風邪に罹りやすくなります。ほとんどの風邪の原因はウイルスですが、その中でインフルエンザは特に注意する必要のあるウイルスです。現在流行しているインフルエンザにはウイルス表面の抗原によりAソ連型、A香港型、B型の3つの型があります。毎年これらの3つのウイルスが単独または複数で流行しています。ウイルス表面の抗原は変異しやすく、同じ型のウイルスでも毎年少しずつ変異して小さな流行が持続したり、突然大きく変異して大流行になることがあります。しかし最近数年間はこの3つのウイルスが全て、合い前後して流行するパターンが続いており、流行規模は比較的小さくなっています。
インフルエンザに一度罹った人はそのウイルスに対する抗体を持っているため、同じ型のウイルスには罹らないか罹っても軽くすむと考えられています。また以前に罹った人は免疫の記憶があって、予防接種によく反応します。しかし子どもではインフルエンザに罹ったことがあっても、全ての型のウイルスに免疫の記憶を持っているとは限りません。特に乳幼児ではワクチンに対する反応も悪いと言われています。従って、インフルエンザワクチンは、大人では1回接種でよく、小児では4週間間隔で2回接種する必要があるのです。
インフルエンザは同じ型のウイルスでも毎年、変異をしています。そこで専門家は次の年にどのような型のウイルスが流行するかを検討してワクチンに含めるウイルスのタイプを決定します。従って、ワクチンは変異するウイルスに合わせて毎年受ける必要がある訳です。
インフルエンザは高熱が持続し呼吸器、消化器、神経・筋肉などの症状が重く小児や高齢者だけでなく働き盛りの人が罹っても社会生活に大きな支障を来たします。抗ウイルス剤などの治療法がいくら進歩しても「予防に優る治療なし」と言われます。十分な準備をしてこれからの寒い時期を迎えるようにしたいものです。
県民の皆さまへ
インフルエンザワクチン
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- カテゴリ: 小児科相談
2002年12月10日掲載