【質問】子どもと一緒 ストレスに
20代の主婦です。2歳になる子どもの育児に追われています。少し前から気分がもやもやして晴れず、めいったり、いらいらするようになりました。周囲から育児ノイローゼと指摘され、子どもと一緒にいることがストレスになっていることに気付きました。ママ友と情報交換して気分転換していますが、精神的に不安定なままです。どうすればいいのでしょうか。
【答え】専門機関に支援求めて
今井メンタルクリニック 今井幸三
文面からは家族構成が分かりませんので、ご夫婦と2歳のお子さんの3人家族と仮定しました。また、医療以外の分野も含むので、心理士の平岡彩子、保健師の細澤里寧の意見を参考にした上でお答えします。
毎日子育てに奮闘されている姿が目に浮かびます。2歳ということは、ちょうど“おしゃべり怪獣”の時期ですね。「ママがいい!」「こんなんせーん」など、自己主張がはっきりしてくると同時に、一生懸命お絵かきをしたり、ジャンプができるようになったりと、運動面の成長も大きい時期です。そのようにお子さまが活発ですから、家事や片づけが母親の思い通りに進まないことも多々出てくると思います。
父親は朝早く仕事に出掛け、帰りは遅くなる。食事や入浴を済ませると夫婦で話す時間も少ない。母親は気分転換もままならず、1人でほぼ1日子どもと向き合っている。子どもが寝ている間にようやく夕食の準備や家事ができる-。そんな日々を送っておられるのでしょうか。
子どもはとてもかわいい、けれど話し相手にはならない。子どもは褒めてもらえるけど、母親は褒めてもらえない。そんな状況で、母親は頑張っていると思います。子どもが熱を出すと病院に連れて行かなくちゃいけないけれど、母親ご自身の調子が悪いときもありますよね。そんなときは心細いと思います。
ご質問では、気分がめいる、いらいらすることが増えたとのことですが、子育てに疲れて心の不調を感じることも当然あるでしょう。涙もろくなり、子どもがかわいいと思えないときもあります。これらが「育児ノイローゼ」といわれる症状です。
では、どうすればいいのでしょうか。「一人で悩まない」「一人で抱え込まない」ことに尽きます。まず、夫に自分の気持ちを聞いてもらう。そして、親やきょうだいに聞いてもらう。友達にも。できれば、客観的な視点から手助けやアドバイスをしてくれる第三者を探すことです。
市町村には子育て支援の担当者がいます。保健師やカウンセラー、子育て支援の専門家から適切な支援が得られるはずです。医療機関では、ご自分が世話になった産婦人科や心療内科・精神科をお勧めします。医師や助産師、保健師、カウンセラーなどが相談に乗ってくれます。医療機関と行政が協力して育児支援や母親を支援することも行われています。
カウンセリングでは、まずお話をうかがいながら、その過程でご自身が気持ちを整理していくのを手助けします。その中で、ものごとに対する捉え方を共有し、患者さん自身が気持ちを表現する方法を一緒に考えます。