寝ている間に目をかいてしまう
【質問】20代女性です。寝ている間に目をかいてしまう症状が治りません。皮膚科や眼科を何度も受診しています。処方された塗り薬や飲み薬を使っても、改善は一時的で続きません。ハウスダストアレルギーがあるのは分かっています。部屋の掃除はしっかりとしています。寝る時にアイマスクをしたり、両手を縛ったりもしました。それでも効果はありません。朝起きると結膜炎のような状態になることもあります。医療機関は何科の受診がいいですか。対策を教えてください。
阿南共栄病院眼科 西野真紀 先生
抗原特定し接触避ける
【答え】目のかゆみの原因となる疾患を部位別に分類すると、まぶた(皮膚)がかゆくなる眼瞼(がんけん)炎と、白目やまぶたの裏(結膜)がかゆくなる結膜炎があります。症状から眼瞼炎と結膜炎の両方のようです。
アレルギーは、かゆみの原因となる抗原の特定が欠かせません。抗原との接触を避けるのが予防です。どの抗原にアレルギーを持っているかを調べる方法は、血液検査と皮膚テストです。
血液検査は、抗原ごとにIgE値を計測して判定します。ただ、結果がやや不正確な場合があります。
皮膚テストは、即時型アレルギー検査として皮内テストやスクラッチテスト、遅延型アレルギー検査としてパッチテストがあります。皮膚科・アレルギー科などで受けられます。
ハウスダストはダニ、動物上皮、カビ、頭髪など。部屋の掃除が大切です。空気清浄機の利用も有効でしょう。エアコンを使用する際はフィルターのほこりを取り除いてからにしてください。就寝時の症状悪化は寝具の対策が必要です。天日干しや布団乾燥機をかけた後、掃除機で布団に付いたほこりを取り除きましょう。
眼瞼炎はステロイド眼軟こうなどの外用薬や抗ヒスタミン薬で治療します。結膜炎は抗アレルギー薬やステロイド薬の点眼、内服が有効です。免疫抑制点眼剤を処方することもあります。
目をこすると症状は悪化します。症状の緩和には、まぶたを冷やすことや、冷やした人工涙液の点眼が効果的です。アレルギーは生活習慣が深く関わっています。睡眠不足や深酒、喫煙は厳禁。食事は発酵食品や食物繊維を意識して取り、腸内環境を整えることです。砂糖や刺激のある辛い物をなるべく避け、バランスの良い食生活を心掛けましょう。
ハウスダストは一年中アレルギーを引き起こす可能性があります。点眼薬でアレルギーを起こしたり、ステロイド薬で副作用が出たりする例もあります。
治療は自分の判断で中断せず、医師と相談しながら続けてください。