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県民の皆さまへ

徳島県小児科医会 日浦恭一

 最近、子どもの予防接種の種類が増えています。今月は予防接種の基本についてお話します。



 現在、わが国で行われている予防接種には国が定めて市町村が接種主体となって行われる定期接種と、国が認めているものの接種は希望者の意思に任されている任意接種とがあります。

 定期接種にはBCG、三種混合(百日咳・破傷風・ジフテリア)、麻しん・風しん、ポリオ、日本脳炎があります。定期接種はワクチンの製造法から接種年齢、投与方法、接種回数まで国の法律(予防接種法)で定められています。実施方法の実際や接種費用の負担は市町村の責任で行われます。

 定期予防接種で副反応が発生した場合には国が定めた「予防接種健康被害救済制度」で救済措置が取られますが、その実施に当っての責任は市町村が負います。

 これに対して任意接種にはヒブ、肺炎球菌、水痘、おたふくかぜ、HPV(子宮頸がん)などがあります。任意接種は個人の希望と責任で行われますからその費用は本人や家族が負担します。

 任意接種で発生した副反応による健康被害に対しては定期接種で発生した副反応と異なり「予防接種健康被害救済制度」を利用することはできません。この場合には医薬品副作用被害救済制度などによる補償になり、補償金額はかなり低い額に抑えられています。

 予防接種にはその種類によって大きな差があることを知っておく必要があります。
 
徳島新聞2010年11月10日掲載

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