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徳島県小児科医会 日浦恭一

 子どもが誤って口に入れる物の中には吸収されると不都合な症状が出るものがあります。これが誤飲による中毒です。誤飲による中毒の代表がタバコに含まれるニコチンです。

 乳幼児の誤飲原因の中で最も多いのはタバコですが、身の周りにある日用品のすべてが誤飲の原因になります。洗剤、化粧品、薬剤、文具、台所用品、ベビー用品、農薬・殺虫剤、塗料、石油製品など子どもの周囲には子どもが口に入れる可能性のある危険なものがたくさんあります。

 大半の誤飲事故は家族の不注意が原因で発生します。家庭内での誤飲は原因物質によって発生する時間帯がほぼ決まっています。タバコは朝8時と夜8時に多く、洗剤や石鹸の事故は朝9時と夜6時に集中して発生しています。これは大人が使用したものを後始末できていないことが原因です。

 多くの異物を誤飲した時に、水や牛乳を飲ませて、異物を吐かせることが勧められています。しかし中には水や牛乳を飲ませるとかえって吸収が早まるものもあります。また吐かせると、気道に吸引して危険な場合もあります。このような処置が分からない場合には医療機関を受診しょう。

徳島新聞2009年11月18日掲載

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