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県民の皆さまへ

 今月は子どもの食事についてお話しています。

 新生児期から乳児期前半は母乳やミルクだけですべての栄養をまかなっていますが、乳児期後半の離乳食を経て、幼児期には普通の食事をとるようになります。

 このような食事の変化は、からだの成長にともなう「食べる」という生理的な機能の発達によるものです。

 新生児の口は母乳を飲むのに適した形をしています。歯が生えていないことや口の中が狭いことは、のどの奥に乳首を吸いこんで母乳を飲むのに適しています。

 さらに新生児期には哺乳(ほにゅう)に関する原始反射と呼ばれる反射があります。片方の頬をこすると、刺激された方向に顔を向け、唇を突き出して乳首を捜すような動きが見られます。

 口の中に乳首が入ると、自動的に乳を吸うような運動が起こります。このような自動的に母乳を吸うのに適した動きが原始反射です。

 生まれて間もない赤ちゃんが母乳を吸うためには原始反射があると、授乳がとてもスムーズに進みます。

 しかし離乳食を食べ始めると、口に食物をためて咬むような動きが出てきますから、原始反射があると、食べることのじゃまになります。離乳食を始める生後5~6か月には原始反射は消えてしまうのです。

 また離乳食を始める頃には、首が座るなどのからだを支える全身の力や、咬むことや飲み込むことに使うあごの力などが強くなっています。

 また毎日決まった時間に離乳食を与えることで、離乳食の時間を中心とした生活リズムが確立します。食事は母子関係や生活習慣を確立する上で重要な役割を果たしています。

 一人だけの食事よりも、大勢で一緒にする食事のほうが楽しいものです。子どもに離乳食を食べさせる場合にも家族の食事時間に合わせて行いたいものです。

2008年4月16日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.