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 予防接種は子どもの病気予防に大切なものです。予防接種が普及してその病気が少なくなると、多くの病気から子どもを守ってくれている予防接種のありがたさを忘れてしまうことがあります。今月は子どもにとって大切な予防接種の話をします。

 昨年、予防接種法の大幅な改正があり予防接種を実際に行っている医療機関でも多少混乱が見られました。その中でもっとも大きな変更点は麻疹(ましん)風疹(ふうしん)混合(MR)ワクチンです。

 以前は麻疹および風疹は単独のワクチンを用いて1歳から7歳半の間に行われていました。今回の変更はMRワクチンを用いて1期を1歳に、2期を小学校入学前の1年間に、合計2回行うことになったことです。

 平成19年4月、小学校に入学する子どものMRワクチン2期の接種期限は3月31日です。徳島市におけるMRワクチン2期の接種率は1月末の時点で約55%です。小学校入学前にMRワクチン2期の接種を済ませていない子どもが半数近くいることになります。これは大変残念なことです。

 麻疹や風疹はかかってしまえば治療法のない病気です。とくに麻疹は症状も重く多くの合併症があり、麻疹で亡くなることもあります。また伝染力も強いので周囲の人に対する影響も大きい病気です。

 世の中から麻疹を根絶することが全世界の小児科医の悲願です。すでに欧米などの先進地域では麻疹ワクチンを2回接種することで、麻疹を封じ込めることに成功しています。

 日本で行われている予防接種を見れば、日本は予防接種に関してはまだ後進国です。日本でも昨年からやっとMRワクチンの2回接種が可能になったのです。実際に予防接種を受ける人が、MRワクチン2回接種の意義を十分理解することが大切です。

 1回接種では免疫が充分ついていないことがあります。また一度ついた免疫は時間とともに低下します。これらのことを補う意味で2回接種が大切なのです。

 小学校入学の準備はまずMRワクチンからです。MRワクチン2期を済ませて小学校入学です。

2007年3月13日掲載

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