徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

 インフルエンザはウイルスを原因とするかぜ症候群のひとつです。インフルエンザはその中でも乳幼児から老人まで、高熱をともない呼吸器系の合併症も多く重要な疾患です。また伝染力が強く、潜伏期間が短いために一度発生するとあっという間に流行が拡大する傾向があります。

 以前はインフルエンザに効く薬がなく、多くのかぜに対するのと同様の対症療法しかありませんでした。最近はワクチンに加え検査キットや治療薬が使用できるようになり、日本のインフルエンザ治療は世界のトップになりました。

 しかしインフルエンザもウイルス感染症のひとつですから、その取り扱いの基本は多くのかぜとなんら変わるところはありません。

 かぜに対してできることはまず予防です。ウイルスの特徴を知り、予防に努めます。このウイルスは寒冷、乾燥を好む性質がありますから、保温と加湿を心がけます。ウイルスは鼻汁や喀痰(かくたん)に乗って手指や衣服に付着し、口や鼻の粘膜から侵入します。そのために手洗いやうがいが大切なのです。

 体力や気力が衰えると感染症にかかりやすくなります。体力の低下とともに免疫力も低下します。もともと体力のない乳幼児や老人、基礎疾患を持つ人は感染を受けると発病しやすいものです。不規則な生活や睡眠不足、過労にも注意が必要です。

 インフルエンザにかかったときにはまず安静と保温を心がけ、水分や栄養を十分取ることを考えましょう。

 インフルエンザの多くは自然治癒する可能性のある疾患ですが、異常な高熱や意識障害、けいれんなどは緊急に医療機関を受診する必要があります。一般に熱の出始めには暖かく安静にして栄養と水分を十分与え休むことで病状を見極めることが大切です。

 検査法や治療法が発達しても薬を飲みながら学校に行ったり仕事をしたりすることはもってのほかです。完全に治るまでは集団や社会生活から隔離します。体力の回復とウイルスが出なくなってから社会生活を再開します。

 感染拡大を防ぐには、まず感染源の隔離です。これは他の重篤な感染症でも同じです。かかったらウイルスが排出されなくなるまで人との接触を避けることが原則です。

2006年1月24日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.