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県民の皆さまへ

 日本小児科医会は昨年1月「子どもとメディア」の問題に関する提言を行いました。その内容は、

1.2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控える

2.授乳中・食事中のテレビ・ビデオ視聴は止める

3.メディア接触は1日2時間までにする

4.子ども部屋には、テレビ、ビデオ、パソコンを置かない

5.保護者と子どもでメディアを上手に使うルールを作る


-というものです。メディア接触が子どもの成長に及ぼす影響について配慮することの緊急性、必要性を強く訴えています。

 この提言はテレビなどのメディアの有害性について早くから警告していたアメリカの小児科学会の提言にならって作られたものです。日本小児科医会の提言は私たち小児科医にとって非常にショックでした。それはテレビ視聴が言葉の遅れや対人関係の障害を引き起こすというとてもショッキングな内容だったからです。ただ正常者がテレビ視聴で言葉の遅れやコミュニケーション障害を起こすことは証明されている訳ではありません。また自閉症の子どもにテレビを見続けさせると症状は悪化すると言われますが、テレビを見ると自閉症になると言うわけではありません。

 2歳までテレビを見せないことがはたして今の日本の家庭で可能なのか判りません。日本のほとんどの家庭にはテレビ・ビデオがあって食事中はもちろんほとんど一日中テレビがついている家庭もあるのではないでしょうか。テレビをつけていると子どもが静かにしているからという理由でテレビやビデオに子守りをさせていませんか。確かに子どもたちはテレビが好きでテレビアニメのキャラクターは大人気です。

 授乳中にテレビをつけていると3ヵ月未満の赤ちゃんでも画面をじっと見つめます。赤ちゃんは動くものに注意を向けるのです。しかし赤ちゃんがテレビに話しかけても当然テレビは返事をしてくれません。言葉の発達や対人関係の成立にはいいタイミングでの受け答えが必要です。一方通行の情報ではコミュニケーションを確立することはできません。画面を見ているからという理由で赤ちゃんにテレビやビデオを見せ続けてはいけません。漫然とつけっぱなしになっているテレビを一度消してみませんか。

2005年8月23日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.