徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

 冬は日の出が遅いのでなかなか目が醒めないものです。朝7時でもまだうす暗くて起きるのには強い意志が必要です。昔の私たちの生活は日の出と共に始まり、日没と共に休息に入りました。しかし最近の人たちは夜のほうが活動的で、多くの人が夜型の生活を送っています。これは、忙しくなると昼間に出来ないことを夜間の睡眠時間を削って行う人が増えるためです。その結果、子どもにも夜型の生活がまん延しています。夜型の生活は子どもの昼間の生活にも影響を及ぼしました。夜遅くまでテレビやパソコンに向かっていたり、受験勉強のために深夜まで起きていて夜更かしになり、その夜更かしのせいで、朝起きられない、学校に遅れる、学校に行っても眠気が強く授業に身が入らないなど、慢性的に寝不足を訴える子どもが増えていると言われます。

 今、私たちは毎日ほぼ同じ時間に寝たり起きたりしますが、睡眠と覚醒が毎日ほぼ同じ時刻に繰り返すためには、身体の中にある生体時計が正確に時刻を刻む必要があります。人の生体時計の周期は約25時間ですが、地球の1日は24時間です。つまり人の生体時計は毎日24時間の地球の周期に時計合わせをしているわけです。この時計合わせがうまくいかないと身体の時間が環境の時間と解離することになり、環境に適応することが難しくなるわけです。人の生体時計の周期が長いわけですから、環境の時間の手掛かりが乏しくなれば、人の生活が夜更かしに傾くということです。ですから例えば長い休暇などで、社会生活の規則がなくなると生活のリズムが乱れて夜更かし、朝寝坊になりやすいというわけです。その乱れを防ぐためには寒くても暗くても眠気を我慢して朝早く起きる習慣を持続することが大切だということがお分かりいただけたでしょうか。

2002年2月12日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.