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 今年の暑い夏もやっと終わって涼しい風が吹き始めました。夏の間、裸同然の薄着で寝ていた子供達が朝起きた時に手足が冷たくなり、鼻水やくしゃみが出たりお腹の調子が悪くなっていたりします。ひどい時には、発熱などの本格的な感冒症状を起こすことも珍しくありません。

 私達の体温は自律神経によってほぼ一定に保たれているように見えますが、実際には活動している昼間には高く、夜間睡眠中には低くなることが知られています。つまりヒトの体温は外の環境温度と同じように変動し、夕方に最も高くなり、夜間入眠に伴って次第に低下し、夜明け前に最も低くなるということです。

 ではなぜ身体が冷たくなると風邪をひきやすいのでしょう。免疫能の低下と密接な関係があると考えられます。風邪の原因ウイルスや細菌に侵された時、免疫能が低下していれば風邪に罹り易いことでも判るでしょう。さらに早朝には、ストレスに反応して変動するホルモンの代表であるACTHやコーチゾールの分泌も一日の中で最も低下しています。これらの内分泌機能の変動は体温とよく以た変動をしますが、まったく同じというわけではあリません。私達の身体は神経支配により免疫系、内分泌系で外界からのストレスに備えているのですが、幼弱な乳幼児ではこれらの防御機能も完全なものとは言えません。最も体温の低下する早朝夜明け前ばかりではなくでも、昼間の時でも簡単に低体温になることがあります。エアコンのよく効いた室内での昼寝や風呂上がりの湯冷めで体調をくずすことからもおわかりでしょう。身体の冷えは免疫能の低下につながることを知ってよく気をつけましょう。

2001年10月2日号掲載

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