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 健康維持には適度な睡眠は不可欠だ。【寝る子は育つ】と言われているように、特に子どもの健やかな心身の発育のためには、良質な睡眠をとることが大切である。しかし、最近の傾向として安眠が出来なかったり、睡眠時間が不足している子ども達が多くなっている。

 乳児期にみられる睡眠障害に「夜泣き」がある。これは大変多くみられる現象で、半数以上の親が悩まされたことがある、といった調査結果もあるが、ほとんどは成長とともにみられなくなる。対策としては昼間の遊びや就寝前の哺乳に配慮し、ゆったりとした気持ちで保育することである。とりわけ「夜泣き」に過剰に反応しないことが「夜泣き」を長引かせないコツである。当然のことながら、「いつもと違う泣き方」の際には発熱、痛み、かゆみの有無や室温、湿気、着衣の状況が適切かどうかの確認が大切。特に激しい腹痛を伴う腸重積は「いつもと違う泣き方」の代表的疾患であり、気を付けなければならない。

 睡眠時無呼吸症は中年以後に多い病気だが、扁桃腺が肥大している子どもにもみられることがある。重症の場合努力呼吸、無呼吸により体力の消耗や低酸素血症が起こり、睡眠不足や身体および知的発育の遅れの原因になる。子どものいびきが大きかったり、吸気時に胸部が陥没しているようであれば、かかりつけ医に相談しよう。

 最近の日本社会はますます夜型となっており、このため多くの子ども達が睡眠不足による多彩な心身の異常や変調を来していると言われている。いまこそ「早寝早起き」といった忘れ去られかけた習慣をもう一度見直す必要があるのではないだろうか。

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