最近は大変なペットブームで子ども達の身辺にペットがいたり、子ども達自身が飼育を担当していることが多くなっている。子ども達にとってはペットを飼育することで、命の大切さや他者に対する思いやりを学んだり、継続した世話をすることで、現代の子どもに最も欠けているとされている忍耐力を養うことが出来る。また、ペットを観たり、触れたり、抱いたりすることで、心が癒され、自閉症や不登校の子どもの治療法の一つとして注目されている。
しかし、ペットを飼育することは功の反面、ペットが原因となり、発病する病気といった罪の部分があることも、知っておく必要がある。これにはペットの毛やフケ、乾燥した糞を吸い込むことで、気管支喘息やアレルギー性鼻炎になったり、悪化したりすることがある。またペットに寄生したり感染している寄生虫や病原性微生物がヒトに感染して病気にかかることがある。
最近のように飼育されているペットの数や種類が多くなるにつれ、ペットからうつる病気の数、種類ともに増加しており、このような病気に関する知識をもつことが、今後一層大切になる。そこで日本国内でみられる主な感染症については「ペット飼育の功罪(その2)」と
して次回に解説する。
ペットからうつる病気を予防し、ペットと上手につきあうためには以下のようなことを心がける必要がある。
1. ペットを清潔に飼育し、排泄物の処置は丁寧に行う。
2. ペットとの過度なスキンシップはさけ触れた手は洗う。
3. ペットの健康状態に注意を払い、死体は慎重に扱う。
4. 飼っているペットからうつる病気に関する知識を持ち、ヒトに疑わしい症状が出たときは
早く診察を受ける。その際医師にはペットを飼育していることを詳しく話すこと。
県民の皆さまへ
ペット飼育の功罪 (その1)
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- カテゴリ: 小児科相談