卵使った離乳食で湿疹
【質問】5カ月の子どものことで相談です。離乳食として卵を使ったものを子どもに食べさせたところ、顔(特に口の周り)と体に湿疹が出ました。これは食物アレルギーですか。どうすればいいのか教えてください。
くはらクリニック 久原 孝 先生
【答え】卵のアレルギーについての心配ですね。即時型の食物アレルギーは、食べ物によって体によくない症状が出ることです。最も多いのは皮膚症状で、かゆみ、赤み、じんましんなどです。口の中、のど、目がかゆかったり、腫れたりすることもあります。
さらに腹痛や下痢、咳(せき)やゼーゼーいう呼吸症状に加え、顔色が悪い、ぐったりする、意識を失うといった重い症状が出ることがあります。命の危険を伴うアナフィラキシーショックが引き起こされる場合もあります。
食物アレルギーの診断はまず問診で、食べた時の症状や症状が出るまでの時間、同じ症状が何回出たかを確認します。
その後、疑われる食べ物に対する皮膚プリックテストを行ったり、血液検査で「抗原特異的IgE抗体」を調べたりして疑われる食べ物への感作(敏感な状態)の有無を確認します。
特異的IgE抗体が陽性であることと、食物アレルギーの症状が出ることは必ずしも一致しません。アレルギー症状があって、感作でも陽性の場合に食物アレルギーと診断します。
確定診断には、食べて症状が出るかを確かめる食物経口負荷試験が有効です。負荷試験を行うことで、安全に食べられる分量も分かります。
食物アレルギーの診断と管理は危険を伴うことがあります。かかりつけ医に相談し、必要ならアレルギーに詳しい医師を紹介してもらいましょう。
卵のアレルギーは卵白のアレルゲン(アレルギー物質)が主な原因です。卵白は加熱によってアレルゲン性が低下するため、加熱調理すれば食べられる人がたくさんいます。全卵を食べることができなくても、加熱した卵黄なら食べられる人も多いです。
鶏肉や魚卵は鶏卵とアレルゲンが異なるので、基本的に除去する必要はありません。また、食物アレルギーがあっても離乳食の開始や進行を遅らせる必要はありません。
子どもに湿疹があれば、スキンケアやステロイド外用薬により、きれいな肌にしましょう。日本小児アレルギー学会では「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」を公表しています。ホームページを参考にしてください。
食べ物の除去が必要な場合は医師と相談してください。必要以上に除去する食べ物を増やさないようにしましょう。必要最小限の除去が原則です。食物アレルギーは3歳までに約半数、5、6歳までに6、7割は治ります。