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【質問】 受診勧められたが内容は?

 20代の女性です。知人から、30歳になったら婦人科ドックを受診するようにと勧められました。婦人科ドックとはどのような内容なのでしょうか。また、費用はどれくらいかかるのか教えてください。



【答え】 婦人科ドック -メーンは子宮がん検診-

徳島大学病院 産科婦人科 安井 敏之

 婦人科ドックは、一般的に子宮がん検診をメーンに行います。乳がん検診が含まれていることも多いです。

 子宮がん検診は、まず子宮の入り口である子宮頸部(けいぶ)に異常がないか検査します。目で異常の有無を確認し、粘膜をこすり取って細胞を採取し、顕微鏡で調べます。同時に、子宮の大きさ、子宮の動き方、卵巣や卵管などのしこりの有無について診察します。

 これらの診察によって、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍(しゅよう)などの可能性を判断します。施設によっては、腟(ちつ)から機械を挿入して超音波検査を行います。子宮や卵巣の状態を画像で見ることができ、それらの大きさを数字で表します。

 こうした検診を受けることで、自覚症状がなくても婦人科の病気が見つかることがあります。以前から貧血と診断されていた女性が、婦人科ドックで子宮筋腫が見つかり、貧血の原因だったと分かることもあります。ただの月経痛と思っていた痛みが、子宮内膜症が原因と分かる場合もあります。そういった病気が見つかった場合は放置せずに、どのように対処したらいいか相談することも大切です。

 婦人科ドックでは、問診が重要になります。最近の月経の状態(期間、量、痛みなど)を手帳に記録して、問診の際に答えられるようにしておきましょう。そのためには、日ごろから月経の量、期間、月経痛について注意しておくことが必要です。

 若い女性にとって、婦人科というと敷居が高く、行きにくいと思います。しかし、どうしようかと悩んでいるのであれば、一度受診して「異常ないですよ」という結果をもらうと気持ちも楽になるでしょう。

 結婚を考えているのであれば、将来に備えて婦人科ドックを受けられることをお勧めします。最近ではブライダル検診として婦人科ドックを実施している施設もあります。

 他の人間ドックと一緒に受ける場合もあると思いますが、日帰りや一泊などさまざまなコースがあり、それらによって料金が異なってきます。また、検査項目も施設によって異なりますので、内容や料金については、事前に医療機関に問い合わせたり、パソコンで調べておいたりすることをお勧めします。

 婦人科ドックを受ける場合は、生活習慣病も念頭におきましょう。女性ホルモンは、子宮や乳房だけではなく、体のすべての臓器に影響しています。したがって、女性ホルモンの状態は生活習慣病とも関係します。ご自身の体全体の健康を考える一環として、婦人科ドック検診を受けましょう。

徳島新聞2009年2月15日号より転載

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