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徳島県小児科医会 日浦恭一

 予防接種は子どもたちの健康を守るのに欠かすことの出来ないものですが、予防接種の後に様々な副反応が見られることがあります。これが予防接種による健康被害です。健康被害の中には予防接種そのものによる副反応と、接種後にたまたま発生した疾患の紛れ込みがあります。実際に発生した健康被害について、その真の原因を明らかにすることは難しいものです。

 予防接種には不活化ワクチンと生ワクチンの2種類がありますから、副反応についても2つに分けて考える必要があります。

 不活化ワクチンによる副反応には、注射部位の発赤や硬結、疼痛などの局所反応が多く、アナフィラキシーショックや蕁麻疹などのアレルギー反応、さらに発熱にともなう熱性けいれんや脳症などがあります。

 不活化ワクチンによる全身症状は接種直後から24時間以内、遅くとも48時間以内に発生します。

 副反応の中には発生が予想できないものがあります。とくにアナフィラキシーと呼ばれるアレルギー反応は急速に出現して重篤化しますから、接種後の十分な観察が求められます。それまでのワクチン接種による副反応の有無や食物や薬物に対するアレルギーの有無、さらに家族のアレルギー体質などを十分に把握しておくことが大切です。

徳島新聞2010年1月20日掲載

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