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熱性けいれん(3)


徳島県小児科医会 日浦恭一


 熱性けいれんの再発はそれ程多いものではありません。しかし発熱のたびにけいれんが起こるかもしれないという不安は常につきまといます。このような熱性けいれん再発の不安に対する対応が必要です。

 熱性けいれんの中でも、熱が出ると必ずけいれんが起こる場合には発熱初期に予防が必要です。熱性けいれんの予防に解熱剤は効果がありません。熱性けいれんの予防には発熱初期にジアゼパムの座薬を使用します。高熱が持続する時には8時間後に再挿入します。これで高熱が3日間続いても薬剤の血液中濃度が保たれて熱性けいれんが予防できます。

 熱性けいれんでも比較的低い熱で発生するものや、発熱と同時にけいれんが起こって、ジアゼパム座剤で予防できない場合にはフェノバルビタールやバルプロ酸などの持続内服を1~2年間続けることもあります。しかし持続内服にはそれぞれに問題があります。また持続内服によって、てんかんへの移行が予防できる訳ではありません。

 病院受診時に熱性けいれんが長く持続している場合には速やかにけいれんを停止させる処置が必要であると同時に、けいれんおよび発熱の原因検索が重要です。

徳島新聞2009年8月26日掲載

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