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熱性けいれん(2)


徳島県小児科医会 日浦恭一


 多くの熱性けいれんは短時間で止まり、後遺症を残すこともありません。このようなものを単純性熱性けいれんと呼び、一生の間に1回か2回しか起こりません。このようなものは放っておいても5~6歳になれば自然に起こらなくなるのです。

 しかし熱性けいれんの中には何回もくり返して起こす場合があり、3回以上反復して熱性けいれんが起こる確率は約9%あります。再発に関する注意因子としては、1歳未満に発症することと、両親または片親に熱性けいれんの既往があることです。このような場合の再発率は50%に達すると言われます。そこで再発の予防を考慮するのです。

 また熱性けいれんでは、てんかんとの関係が問題になります。熱性けいれんを有す人の方が、てんかん発症の頻度が高いとされます。

 てんかん発症に関する注意因子としては、熱性けいれん発症前に明らかな神経学的異常や発達遅滞があること、発作が非定型的であること、両親や同胞にてんかんの家族歴があることです。

 熱性けいれんを起こした子どもに、これらの因子がある場合には脳波やCT、MRIなどの検査による神経疾患検索の必要があります。

徳島新聞2009年8月19日掲載

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