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熱性けいれん(1)


徳島県小児科医会 日浦恭一


 救急外来を受診する理由の中に高熱が原因で起こるひきつけ(けいれん)があります。高熱にともなうけいれんは乳幼児に多く見られる発熱の合併症です。今月は熱性けいれんについて考えてみました。

 日本人には熱性けいれんが7~8%見られます。その多くは生後6ヶ月から3歳までに発生し、とくに1歳代に多く見られます。男子に多く、遺伝的な素質が関与するものがあります。

 熱性けいれん発作の多くは5分以内に終わり、ふつう終わった後に後遺症を残すことはありません。

 しかし、けいれんの現場に立ち会うと、子どもの手足は硬直してブルブルふるえ、意識がなく、顔色は蒼白で、けいれんが永久に続いて、両親にはこのまま死んでしまうのではないかと思われるほど、生きた心地がしないものです。

 熱性けいれんは中枢神経系の感染症や代謝異常、その他明らかな原因疾患が除かれたものを言います。多くの熱性けいれんは一生の間に1回か2回しか起こらず、知能障害や運動麻痺など後遺症を残すことはありません。

 受診時にけいれんが止まっていて、意識が回復していれば心配することはありません。

徳島新聞2009年8月12日掲載

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