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 川崎病の治療にはアスピリン療法や大量ガンマグロブリン療法などが行われています。治療の目標はできるだけ循環器系の後遺症を残さないことにあります。

 急性期に見られる循環器症状の多くは後遺症なく治癒しますが、治療に関わらず冠動脈瘤を残すものが5~8%あると言われます。

 川崎病の循環器系の病変としては冠動脈の拡大、冠動脈瘤、巨大冠動脈瘤、冠動脈の狭窄、弁膜病変などがあります。重症の後遺症を持つ子どもたちには虚血性心疾患発生の危険性がありますから、長期間の治療や運動制限が必要となります。

 川崎病における血管病変は、血管炎のために血管内膜の破壊から血管の拡大、動脈瘤の形成、血栓形成などの経過をとり、その後正常化した人でも血管壁の変化が残っていることがあります。

 乳幼児期に川崎病にかかって、急性期に冠動脈病変が見られた人の中にはその後、運動量が増加するに従って血管壁に対する負担が増し、虚血性心疾患が発生する危険性が高まることがあります。川崎病では症状のない人でも十分な経過観察が必要です。

徳島新聞2009年7月22日掲載

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