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 RSウィルス感染症にかかると大変重い呼吸症状があらわれることがあります。とくに新生児や乳児期早期にもRSウィルスにはかかることが知られていますから注意が必要です。

 RSウィルスは1歳までにほぼ半数の乳児がかかり、2歳までにほとんど100%の幼児がかかると言われます。しかしRSウィルスにかかるのは1回だけではありません。反復感染することが知られています。

 RSウィルスは新生児や乳児期前半にも感染することから、母体免疫はRSウィルスの感染から子どもを守ることはできないと考えられます。またこのウィルスは一度かかっても免疫ができにくく何回もかかることが知られています。しかし再感染をくり返すごとに、症状はだんだん軽くなります。つまり年長児や大人はこのウィルスにかかっても普通のかぜ症状で終わってしまいます。

 つまり初めてRSウィルスにかかった時の症状がもっとも重いのです。とくに新生児期や乳児期早期にかかると重症になり、生命に危険が及ぶこともあります。また早産の未熟児や先天性心疾患、慢性肺疾患などの基礎疾患を持つ子どもがRS感染症にかかると重篤な呼吸障害が起こって生命に危険が及ぶことがあります。

 RS感染症にかかった乳幼児がすべて重症化するわけではありませんが、感染症にかかるとウィルスを排出して、新たな感染源になります。反復してRSにかかった子どもの症状は軽いのですが、他の子どもに対する感染源になる可能性があります。

 多くの入院施設で子どもづれの面会を断る理由のひとつに、軽いかぜ症状の子どもでもRS感染症の場合があるからです。とくに新生児や未熟児、基礎疾患があって入院中の子どもたちの面会には十分な注意が必要なのです。

2008年12月24日掲載

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