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 麻疹は大変重篤な症状を示す感染症ですが、麻疹に特別な治療法はありません。麻疹から子どもを守るには、麻疹患者からの厳重な隔離と、予防接種を徹底すること以外に手段はありません

 麻疹ワクチンを実施したときの免疫獲得率は約95%とされます。1回接種ではワクチンの接種率が100%あっても5%程度の免疫の出来ない子どもがある訳です。1歳児(第1期)の接種率は95%くらいですから実際の免疫獲得者は90%くらいと考えられます。

 さらにワクチンを受けて免疫を獲得した人でも年が経つと徐々に免疫が低下します。免疫がつかなかった人と一度ついた免疫が低下した人の割合が増加すると麻疹が流行する環境条件が整います。そこへ外から麻疹ウィルスが持ち込まれると、ワクチンを接種していない乳児や、ワクチン接種者でも免疫の低下した人は麻疹にかかるのです。

 そこで麻疹に対する免疫をより確実につけるために2006年4月から麻疹ワクチンの2回接種が実施されることになりました。

 実際には麻疹と風疹の混合ワクチン(MRワクチン)が2回接種されます。接種方法は1回目を1歳から2歳未満の1年間(第1期)に、2回目は小学校入学前の1年間(第2期)に接種することになっています。

 ここで問題になるのはワクチンの接種率です。とくに2回目の接種率は今後の麻疹排除計画を遂行する上で大変重要なポイントになります。接種率95%以上あれば麻疹排除は可能とされます。

 昨年、MRワクチン(第2期)の接種率は全国平均で87.9%と、目標の95%を達成できませんでした。徳島県は84.1%と全国第43位と下から5番目でした。

 MRワクチン(第2期)は就学前の1年間が接種時期です。接種率を上昇させるためには、就学時健診でのチェックや未接種者に対する個別通知など行政側のワクチン担当者だけでなく、学校関係者などの協力も欠かすことができません。

2008年10月15日掲載

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