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 アナフィラキシーの症状は、ふつう原因物質に接して30分以内に起こるとされます。接触直後に発生するものは症状が激しく生命の危険にさらされることになります。

 症状は皮膚・粘膜、消化器、呼吸器、循環器、神経系など全身の臓器に出現します。

 皮膚粘膜症状には皮膚、眼、口腔・咽頭・喉頭の症状が含まれます。この症状には、皮膚の発赤、かゆみ、じんましん、血管性浮腫、湿疹、結膜の充血・浮腫、目のかゆみ、流涙、まぶたの浮腫、口腔・口唇・舌の違和感や腫脹、のどの締め付けられる様な感じ、かすれ声、のどのかゆみやイガイガ感などがあります。

 消化器症状としては腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、血便などがあります。 呼吸器症状には、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりから呼吸困難やせき、ゼーゼー言う呼吸音などが見られます。

 循環器症状には頻脈、不整脈、血圧低下から徐脈、心拍停止までが見られます。

 神経系の症状には活動性の変化から不安感や軽度の頭痛、さらに死の恐怖感から意識消失までが見られます。

 全身症状としては多臓器の症状を認められ、頻脈、虚脱症状、意識障害、血圧低下などが見られるものはアナフィラキシーショックと考えられます。

 もっとも軽いアナフィラキシーでは皮膚症状や消化器症状だけしか見られません。呼吸器や循環器症状が見られる場合は中等度以上のアナフィラキシーです。最重度のものがアナフィラキシーショックと呼ばれるもので、呼吸困難や循環不全に陥りますから、緊急の救急救命処置が行われなければ生命が危険となります。

 食物摂取や薬剤投与、虫さされやペットの咬傷などの後にこのような症状が現れたときには速やかな対応が求められます。

2008年8月20日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.