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 アレルギーの中でも症状の発現が急激で、生命に関わることがあるものをアナフィラキシーと呼びます。多くは食物摂取や原因に接触した後、短時間で症状が出現しますから診断および治療には迅速で適切な判断が求められます。今月はアナフィラキシーについて考えてみました。

 アレルギーは異物が生体内に侵入したときに起こる抗原抗体反応です。中でも反応が短時間に起こるものを即時型アレルギーと言います。これがアナフィラキシーです。

 異物が体内に侵入すると、体内に異物に対する抗体が産生されます。これが特異的IgE抗体と呼ばれるものです。このIgE抗体が免疫細胞である肥満細胞や好塩基細胞の表面にある受容体に付着します。

 再び異物が侵入すると細胞表面で特異的IgEと異物が抗原抗体反応を起こし、肥満細胞や好塩基細胞からヒスタミンやロイコトリエンと言う様々な化学伝達物質が放出されます。

 化学的伝達物質が全身の臓器に働くと、血管の拡張、血管壁の透過性亢進、気道平滑筋の収縮や浮腫などが起こります。その結果、発生する様々な症状がアナフィラキシーです。

 アナフィラキシーの中で、循環血液量の減少、脈拍の微弱、血圧低下などをともなうものをアナフィラキシーショックと言います。気づくのが遅れたり処置が遅れたりすると生命に危険がおよぶことになります。

 アナフィラキシーはハチによる虫刺されやハムスターによる咬傷、ペニシリンなどの薬剤投与などで発生することが知られています。虫刺されやペットの咬傷は何度も起こると危険性が増します。食物アレルギーではタマゴ、牛乳、日本そばなど様々なアレルギーを示す食物が知られています。

 アナフィラキシーは原因物質を知って予防することが大切です。

2008年8月13日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.