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 小児は成人に比べてけいれんを起こしやすいと言われます。これは小児の脳が未熟なため、けいれんを抑制する力が弱いことが原因です。けいれんは救急現場で取り扱われることの多い疾患で、それだけ家族の不安も強いと言えます。そこで今月は小児のけいれんについて考えてみました。

 けいれんとは一般に筋肉が急激に発作的に収縮することを言います。意識を失うことや倒れることもあり、急に起こると外傷のため二次障害の危険性もあります。

 小児のけいれんをともなう疾患では高熱による熱性けいれんがもっとも多く見られますが、発熱時に見られる症状のすべてがけいれんとは限りません。家族が「けいれん」と訴えるものの中には発熱にともなう悪寒や戦慄などからだのふるえる状態も含まれていますから、これらをけいれんと区別する必要があります。

 けいれんが急に起こったときに家族はその症状を、全身のがくがく、ビクンビクン、全身を突っ張る、固くなる、力が入る、からだの一部がピクピク、がくがく、固くなる、引きつれるなどと表現します。時に歩き回る、動き回る、走り出す、しがみつく、暴れる、急に倒れるなどの訴えもあります。

 また大きな動きがなくても、ボーッとする、意識がない、動きが止まる、目つきが変、目の焦点が合わないなどの症状をけいれんとして訴えることもあります。

 けいれんの原因の中でもっとも多いのは熱性けいれんです。大部分は単純性熱性けいれんと呼ばれるもので、一生の間に1回か2回、短時間のけいれんだけで終わります。しかしその中にごくまれに中枢神経感染症などの重篤な疾患や、発熱によって明らかとなったてんかんが見つかることがあります。

 発熱をともなったけいれんの全てが熱性けいれんとは限らないのです。

2008年7月9日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.